牛乳を飲んでいるのに骨密度が上がらない?骨粗しょう症予防に必要な摂取量と吸収のポイント

「毎日牛乳を飲んでいるのに骨密度が低いと言われた…」
そんな経験はありませんか?
実は、骨の健康にはカルシウム(Ca)だけでなく、さまざまな栄養素が関わっています。
骨粗しょう症の予防・改善には“バランスのよい栄養”がとても重要です。
■そもそもカルシウムは足りているの?
カルシウムは骨の主成分であり、とても大切な栄養素です。
ただし実際には、食事からのカルシウム摂取量が不足している方も多く、まず「十分な量を摂れていない」という問題があります。
さらに、カルシウムは摂取してもすべてが体に吸収されるわけではありません。
腸からの吸収率は年齢とともに低下し、成人ではおよそ30%程度といわれています。

つまり、そもそも「摂取量が足りていないうえに、摂ってもすべてが吸収されるわけではない」という点が重要です。
カルシウムをしっかり骨に取り込むためには、他の栄養素とのバランスが必要です。
■カルシウムをとるための食事療法の注意点
カルシウムの量ととり方に注意!
カルシウムは骨の健康にとって重要な栄養素ですが、「カルシウムだけをとればよい」というわけではありません。
骨を強くするためには、さまざまな栄養素をバランスよく摂ることが大切です。
また、カルシウムには1日の耐容上限量(過剰摂取を避ける目安)があり、成人では約2,500mgとされています。摂りすぎにも注意が必要です。
カルシウムを効率よく取り入れるためには、食事内容にも工夫が必要です。例えば、乳製品はカルシウムを多く含みますが、脂質の摂りすぎを防ぐために低脂肪のものを選ぶことが望ましいでしょう。
| 食べ物(1回に取る量) | 含有量㎎ |
|---|---|
| 牛乳(200ml1カップ) | 220 |
| プロセスチーズ(1切れ) | 126 |
| 生揚げ(1/2切れ) | 144 |
| 木綿豆腐(1/2丁) | 129 |
| いわし水煮缶(小1缶100g) | 320 |
| 鯖水煮缶(小1缶100g) | 260 |
| うなぎ1切れ | 150 |
| チンゲン菜(100g1/3株) | 100 |
| 小松菜(100g1/3株) | 170 |
| すりごま(9g大さじ1) | 72 |
カルシウムの効果を妨げる食べ物
一方で、カルシウムの吸収を妨げたり、体の外に排出してしまう要因にも注意が必要です。
リン(P)を過剰に摂取すると、カルシウムの吸収が阻害されることがあります。リンは、インスタント食品や加工食品、練り物(かまぼこなど)に含まれる防腐剤や酸化防止剤に多く含まれているため、こうした食品の摂りすぎには注意が必要です。
また、食塩の摂りすぎも問題です。塩分を過剰に摂るとカルシウムの尿中への排出が増え、体内のカルシウムが減少しやすくなります。さらに、高血圧の原因にもなるため注意が必要です。
特に魚介類でも、干し魚やしらす干し、佃煮などは塩分が多く含まれているため、健康のためには摂りすぎないようにしましょう。
骨の健康を守るためには、カルシウムを意識するだけでなく、食事全体のバランスを整えることが重要です。
次回はカルシムの吸収を助ける栄養素についてご紹介します。
監修:辻本武尊(枚方大橋つじもと整形外科クリニック院長、医学博士、日本骨粗鬆症学会認定医)
