骨折を放置するとどうなる?痛みが少なくても早めの受診が大切です

「歩けるから骨折ではないと思った」
「少し痛いだけだから、そのうち治るだろう」

このように考えて受診が遅れてしまう方は少なくありません。

しかし、骨折は痛みが軽くても放置してはいけません。

適切な治療を受けるタイミングを逃すと、骨が正常につかなくなったり、変形したまま治ってしまったりすることがあります。

今回は、実際に当院で診察した学生さんの症例をご紹介しながら、骨折を放置するリスクについてお伝えします。


目次

骨折は痛みの強さでは判断できません

骨折というと、

  • 激しい痛みがある
  • 全く歩けない
  • 腫れがひどい

というイメージを持たれている方も多いと思います。

しかし実際には、

  • 歩くことができる
  • 部活動を続けられる
  • 痛みが徐々に軽くなる

という骨折も珍しくありません。

特に学生やスポーツをしている方は、「捻挫だと思った」「大会が近いから」「そのうち治ると思った」という理由で受診が遅れるケースが多く見られます。


実際の症例をご紹介します

今回ご紹介するのは、スポーツをしている学生さんの症例です。

手首を痛めたものの、ちょうどテスト期間中で部活動がなかったため、「そのうち治るだろう」と約2週間様子を見ていました。

その後、テストが終わり部活動を再開したところ痛みが強く、競技ができなかったため当院を受診されました。

レントゲン検査を行ったところ、尺骨茎状突起骨折が判明しました。

※患者さん・保護者の方より掲載の許可をいただいております。

赤丸で囲んだ部分が骨折している部位です。

受傷から時間が経過していたため、骨折部にはすでに変化がみられ、通常より骨癒合が難しくなる可能性が考えられる状態でした。

現在は慎重に経過をみながら治療を行っています。


骨折を放置すると起こる可能性があること

骨折を適切な時期に治療しないと、次のような問題が起こることがあります。

骨がつかない(偽関節)

本来であれば自然にくっつくはずの骨が、いつまで経っても癒合しない状態です。

慢性的な痛みが残ったり、場合によっては手術が必要になることもあります。

変形したまま治る(変形治癒)

骨がずれた状態で固まってしまうと、

  • 関節の動きが悪くなる
  • 力が入りにくくなる
  • 将来的に変形性関節症の原因になる

ことがあります。

スポーツ復帰が遅れる

学生アスリートにとっては、早期に診断・治療を開始することで競技復帰までの期間を短縮できる可能性があります。

一方で、受診が遅れると治療期間が長くなり、大会やシーズンに影響してしまうこともあります。

また、代表的な例として手の舟状骨骨折があります。

舟状骨骨折は手をついて転倒したときに起こることがありますが、「ただの捻挫だろう」と思って放置されることが少なくありません。しかし、この骨は血流が乏しいため骨がつきにくく、偽関節になるリスクが高い骨折として知られています。

舟状骨骨折

その結果、慢性的な手首の痛みや運動障害が残り、将来的に日常生活やスポーツに支障をきたすこともあります。

このように、骨折の部位によっては、わずかな受診の遅れが将来の生活の質(QOL)に大きく影響する可能性があります。

「痛みが軽いから大丈夫」と自己判断せず、まずは整形外科を受診しましょう。


骨癒合を促進する超音波骨折治療器

当院では、骨折の状態に応じて超音波骨折治療器を用いた治療も行っています。

超音波を骨折部に照射することで骨の修復を促し、骨癒合をサポートする治療法です。

この治療は、

  • 骨癒合を促進したい方
  • スポーツへの早期復帰を目指したい方
  • 骨がつきにくいと考えられる骨折
  • 骨癒合の遅れが心配な方

などに有効とされており、多くの整形外科で活用されています。

また、仮に毎日この治療を行うと約4割骨癒合が早まるという報告があります。

当院では骨折の種類やレントゲン所見を確認したうえで、必要に応じて超音波骨折治療器をご提案しています。


「様子を見る」よりも「まず確認」を

骨折は、早く見つけて適切に治療を開始することが最も大切です。

痛みが軽いからといって、骨折ではないとは限りません。

  • 転倒した
  • スポーツ中にひねった
  • ボールが当たった
  • 腫れや痛みが数日続いている
  • 一度良くなったと思ったのに痛みが残る

このような場合は、自己判断せず整形外科を受診することをおすすめします。

▼怪我をしたと思ったら、まずすべきことはこちら▼


まとめ

骨折は痛みの強さだけでは判断できません。

「歩けるから大丈夫」「少し痛いだけだから」と放置すると、骨がつかなくなったり、変形したまま治ってしまったりする可能性があります。

特に学生やスポーツをされている方は、早期診断・早期治療が競技復帰への近道にもなります。

当院ではレントゲン検査による診断だけでなく、必要に応じて超音波骨折治療器を用いた骨癒合促進治療も行っています。

ケガをして痛みが続く場合や、「骨折かもしれない」と少しでも心配な症状がある場合は、お早めに当院までご相談ください。

院長紹介DOCTOR

枚方大橋つじもと整形外科クリニック
院長 辻本 武尊

私はこれまで約18年間にわたり大学病院や地域の中核病院で整形外科診療に従事し、脊椎疾患を専門としながら、関節疾患やスポーツ障害、骨粗しょう症など幅広い診療を行ってまいりました。脊椎疾患では1,000件以上の執刀、2,000件以上の手術に携わった経験があります。

当院では、専門分野である脊椎疾患はもちろん、整形外科全般の診療に対応しています。患者さま一人ひとりの症状や生活背景に合わせ、治療から予防、リハビリテーションまで総合的な医療を提供いたします。お身体のことでお困りの際は、お気軽にご相談ください。

監修:辻本武尊(枚方大橋つじもと整形外科クリニック院長・医学博士)

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