【研究の日々】厳しい指導を受けて【院長の人生ノート31】

 指導教官の須藤先生は普段は飄々として掴みどころのない感じを醸し出しておりましたが、研究のことになると非常に厳しい方でした。設定した目標に対し達成できるまでの期限を設け、期限までに達成できないとその原因を突き詰めることを厳しく指導されました。叱責されることも多く、大人になってこれほど怒られることもあるのだと、苦笑させられることも多々ありました。

 それでも、厳しいご指導のお陰で、ゼロから何かを作り上げ、達成することの難しさと、達成できたときの喜びを教えて頂いたように思います。私はそれまでの人生で、いい意味でも悪い意味でも、特に苦労することなく物事をクリアしてきたように思います。しかし、大学院での研究生活で生まれて初めて、中々思い通りに物事が進まないということを経験できました。一つのことについて徹底的に考え抜くことで、初めは不可能と思えていたことでも、結果を出せるのだと気づき、大きな自信になりました。

椎間板研究の臨床試験に向けて台湾でのカダバー研修に行く

 確かに、実験の結果が出ないなど、かなり苦しい時期はありましたが、自分なりに試行錯誤することで結果が出るということを多く経験することができました。この時の苦しい経験がなければ、今でも人の苦労もわからないような浅はかな人間になっていたかもしれません。大学院で過ごした4年間は、臨床経験という面では遅れたかもしれませんが、人間として大きく成長できた期間ではないかと思っております。

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