【海外学会での発表】大学院生としての集大成【院長の人生ノート34】

大学院生の4年間では海外を含む学会参加もたくさんさせて頂きました。まずは1年目に、大学院生としてではないですが、伊東学先生の付き人として米国アラスカ州のアンカレジで開催された国際側弯症学会(SRS)に参加したことで、海外学会で世界中の研究者たちが集う場で受ける刺激に大いに魅了されました。

大学院生としては、米国整形外科基礎学会(ORS)に院生3年目と4年目に参加しました。3年目はサンディエゴで4年目はニューオーリンズでの発表でしたが、特に4年目は初めての口演発表(英語スピーチ)での発表であったため大変緊張しました。英語で発表することは何とかなりますが、その後の質問が中々聞き取れず、会場にいた他の日本人の先生にも助けてもらいながら冷や汗をかいたことは苦い思い出です。

そして、4年目には大学院生としての最終的な目標である英語論文作成があります。私は多くの日本人と同じく、英語が非常に苦手でしたので、「英語で論文を作成する」と考えただけでもやる気が失せる気持ちでしたが、何とかやる気を振り絞って論文作業に取り組みました。須藤先生に毎回厳しい叱責を受けながら、何とか論文作成にこぎつけ、最終的にはEBioMedicineという海外誌にアクセプトすることができました。
大学院では4年間という歳月をかけて、一つのことに真正面から真剣に取り組み最終的に「成し遂げる」という経験ができたことが何よりの財産だと思います。私は、それまでの人生で一つのことを「成し遂げる」という経験はおろか、意識さえしたことがありませんでした。それが、大学院を通して「意識付け」され、たとえ達成困難と思われる目標でも、目標に向かって課題をセッティングし、一つ一つクリアしてくことで、最終的に目標達成を成し遂げることができるという経験は、何よりの財産で、今も、これからも私の仕事に対する取り組みの基本となっていくことでしょう。
2018年3月、日本語で作成する博士論文も書き上げ、無事に大学院を卒業し「医学博士」を取得することができました。北大整形での後期研修医としての1年と併せて5年間、臨床現場から離れておりましたが、卒業後は「脊椎外科医」としてのキャリアを歩み始めることになります。

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