【斗南病院】脊椎外科医としてのスタート地点【院長の人生ノート35】

2018年4月、私は札幌駅の近くにあるKKR斗南病院に配属されました。大学院を卒業した場合、最初の配属先はある程度、本人の意見を尊重してもらえます。私は、脊柱班として同期の太田君と同時に卒業したため、太田君と半年ずつ、札幌市にある斗南病院と美唄市にある北海道せき損センターで脊椎外科医としての臨床キャリアをスタートすることになりました。
先に斗南病院を選んだ理由としては、その立地がありました。丁度そのころ、妻が次女を妊娠しており予定日が9月頃であったことから、美唄で単身赴任になるよりも札幌での勤務の方が都合が良かったため、太田君と相談してこの順番になりました。
次女の出産の前の1か月は妻が安静のために入院していたため、勤務先が自宅近くであったのは非常に助かりました。毎日勤務が終わると3歳の長女を病院の保育園に迎えにいくことができました。また、同年の9月6日(次女出産の1週間前!)には北海道胆振地震があり、札幌も24時間以上停電になったのですが、そんな中でも妻の様子を見に病院に寄ることもでき有難かったです。
そのような苦労もありながら、2018年9月12日、無事に次女が誕生しました。36週6日の夜に産まれたので、あと数時間で正期産でしたが、数時間の差で未熟児となって誕生しました。それでも、次女もすくすくと育ち(長女と比較するとだいぶ手が焼けましたが)、今では我が家のマスコット的存在となっています。

斗南病院は私の脊椎外科医としてのスタート地点といってもいいかと思います。それまでは大学院生としては脊柱班に属しておりましたが、脊椎手術の執刀はほぼ未経験であったため一から勉強させて頂きました。幸い、斗南病院整形外科部長の楫野知道先生は患者さんからの信頼の厚い落ち着いた先生で、私に脊椎手術の基礎を親切丁寧に教えてくれました。
特に、斗南病院でよかったのは、楫野先生が頚椎手術の際に前方手術を多く執刀されていたことです。北大整形の脊椎の先生はどちらかというと後方手術を多く執刀する先生が多かったのですが、楫野先生のもとで前方手術を多く見させていただき、また斗南病院での半年の最後の方には頚椎前方手術を2例ほど執刀させて頂きました。ここでの経験を基に、その後頚椎前方手術が必要な患者さんには前方手術を行うことが出来るようになりましたので、非常に感謝しています。
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