【新たな一歩】そして開業へ【院長の人生ノート44】

 日々の臨床や研究の業務と並行して開業に向けた準備も進めていきました。函館にいたときから、何人かの開業コンサルトに連絡を取っていましたが、具体的に開業場所を検討し始めたのは神戸に転居してからです。

 開業に当たって最も重視したのは開業場所です。私が大阪北部地域で育ったことから、大阪への地域貢献をしたいと強く思っており、大阪北部での開業場所を探しました。ただ、そんなにすぐに場所が決まるわけもなく、いくつかの開業コンサルトと相談しながら場所選定をしていきましたが、中々決めることはできませんでした。

 最終的には、ひょんなことからもらった縁がきっかけで開業場所が決まることになります。あるとき、保険を取り扱っている釣り仲間の一人に開業のことを話すと、自分の顧客に関西や関東でクリニックモールを多数開発している薬局の社長がいるので、一度会ってみないかという話になりました。

 そこで、一度話だけは聞いてみようということになり、自宅近くのカフェでお会いすることになりました。会う前までは、とりあえず一回会うだけ会ってみるかといった程度の気軽な気持ちでカフェに向かいました。しかし実際に会ってみると、薬局の社長はとても気さくな人で、自身のクリニックモールの利点を非常にわかりやすく説明してくだり、私も社長の話に前のめりになっていきました。

 社長に紹介していただいた開業地候補の中の一つに非常に興味を持った案件がありました。それが今回クリニックを開くことになった枚方大橋の場所でした。私が育った北摂地域にも近く、クリニックを開業する場所としては申し分ないと感じた私は、早速週末に現地を確認しに行くことにしました。

 現地はまだ広大な更地でしたが、ここにライフとコーナンができその中間地点にクリニックモールが建設されるという話を伺っていたため、この広大な敷地にクリニックができるということを想像するとワクワクとした気持ちになりました。立地も国道170号線に面した非常に車通りが多いところ、ここに沢山の駐車場も併設するということではありませんか。

 私は整形外科クリニックにとって駐車場の数やアクセスのしやすさは非常に重要であると考えておりました。なぜなら、整形外科の患者さんは足が痛かったり骨折をしていたりして、徒歩や自転車で来院するのが困難な患者さんも多く、駐車場がたくさんあることは患者さんにとって非常に有難いことだと想像できるからです。立地や駐車場の条件もよく、妻とも相談しこの場所で開業することを決めさせていただきました。

 開業場所が決まった後はあっという間でした。実際に場所が決まってから開業1年半くらいの時間がありましたが、クリニックの内装や医療機器の選定、スタッフの採用、各種手続きなど種々の準備を行っていく内に、1年半という時間はあっという間に過ぎていき、気が付けばクリニック開設の1週間前の本日になっております。

神戸大学脊椎グループの先生方と送別会にて

 今振り返ってみても、勤務医として過ごした18年間はあっという間でした。私はこれでメスを置き、地域医療に邁進するべく突き進む覚悟でおります。これから始まる開業医人生の方が、恐らくは長く、それでもあっという間に過ぎ去っていくのでしょう。私自身は勿論、地域の皆様やスタッフの生活や健康を背負った地域の整形外科医として、今、決意を新たにして本稿を締めたいと思います。

皆様、今後とも末永く枚方大橋つじもと整形外科クリニックを宜しくお願い申し上げます。

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