胸椎圧迫骨折

症状

衝撃による骨折直後の時期には強い痛みがあります。しかし、衝撃がなくても自分の体の重さに耐えきらずに潰れてしまうこともあり、その場合はなかなか自分で気付くことができません。

背骨の圧迫骨折が一つあると、後に複数の場所に拡大することがあり、背が縮む・背中が曲がるなどの症状があらわれます。背筋が伸ばせなくなるとバランスが悪くなり転倒しやすくなり、寝たきりにつながってしまうことも多いのです。(寝たきりの原因の第3位)

原因

胸椎圧迫骨折とは胸椎が押しつぶされて変形してしまう骨折で、主な原因は骨粗しょう症です。骨粗しょう症により、骨の強度が低下していると、転んで尻餅をつくなど、背骨に衝撃が加わると、背骨がつぶれてしまうのです。転倒以外にも、重い物を持ったり、咳やくしゃみをなどのちょっとしたきっかけでなることもあります。

重症例では脊髄損傷を起こし、脚の麻痺やしびれが生じる場合もあります。

背骨の1か所に圧迫骨折があると、その後5年間に次の圧迫骨折が起こる確率は、圧迫骨折がない人の2.4倍になり、2か所以上に圧迫骨折があると4.9倍になります。

診断

レントゲン検査で骨折の状態を調べます。必要であればCTやMRI検査を行う場合もあります。

胸椎圧迫骨折のセルフチェック

壁を背にして立ち、かかと、尻、背中を壁につけ、顔は正面を向く。後頭部が壁につくかどうかをチェックします。後頭部に壁がつかない場合は、圧迫骨折があるかもしれないので、担当医に相談しましょう。

治療

保存療法

早期発見できればコルセットや薬物治療で治ることが多いです。

完全に治るまでは重い物を持ったり、前に強くかがんだりといった、背骨に負担がかかる動作は避けましょう。骨密度が少ない患者さんは担当医と相談して、骨粗しょう症の治療を受けることが重要です。

手術療法

なかなか治りにくく、手術しなければならない場合もあります。手術は小さな傷で、骨折部分にセメントを注入する治療から、大きく切開して金具で固定する治療までさまざまです。