糖尿病足

症状

糖尿病の足の病変には、潰瘍(皮膚の表面の組織が欠損して、その下層の組織が露出した状態)、感染、壊疽(血行障害により部分的に死滅した組織が感染して腐敗した状態)が通常よく見られます。

原因

一つは神経の障害です。足に傷があっても知覚が鈍く病変に気づかず、進行してしまいます。また足指の変形や皮膚が乾燥して亀裂が生じると、潰瘍や感染の原因となります。

二つ目は血行の障害です。血液の循環が悪いと潰瘍ができても治りにくく、壊疽や切断に至ることがあります。

しかし足の手入れを適切に行えば潰瘍や感染を予防できます。定期的に医療機関を受診して、足と靴の点検を受けることが大切です。

糖尿病にみられるシャルコー足とは

神経の障害により生じる足部の骨・関節における破壊性の関節症のことです。特に糖尿病に多くみられ、足部が腫れて熱を持つ等の症状が急速に発症し、感染と間違うことがあります。
神経障害のため痛みが軽度でも、放置すると靭帯弛緩や骨吸収、関節破壊をきたして足部の扁平化や、著しい内外反変形が生じます。
早期にギプスや装具などで対処すれば変形は予防できますが、進行してしまった場合は、骨の突出に潰瘍が繰り返し生じて感染を併発することがあるので、突出した骨の切除や関節固定術など手術が必要になります。

治療

毎日のフットケア

1,足(特に足指の股や足底部)を観察しましょう。

  • 視力障害のある患者さんは家族に足を見てもらいましょう。
  • 皮膚が腫れたり、水泡、切り傷・擦り傷、出血、爪の障害、浸出液(特に足の指の股)などの危険な兆候があれば、直ちにかかりつけ医に相談してください。

2,靴を履く前に確認しましょう。

  • 靴の中に小石などの異物はないか、敷革の段差、縫い目の出っ張りなどがないか、手と目を使って確認してください。

3,ぬるま湯を使って足を洗いましょう。

  • 足の知覚が鈍くなっているので、熱いお湯に気付かずにやけどをしてしまう恐れがあります。
  • 皮膚が乾燥しないように、クリームを塗って足の手入れをしてください。

4,自分に合った靴と靴下を選びましょう。

  • 靴と靴下はきつすぎず、足の指が動く余裕が必要です。新しい靴を買うときは、少なくとも5分は試し履きをしてから購入してください。

5,日常生活の注意

  • 裸足で歩行しない
  • 不用意に足の保温をしない:知覚障害があると湯たんぽでも低温やけどの心配があります。
  • 化学薬品や鋭利な刃物を使用してタコを削らない。
  • 爪の角を切らない:爪はまっすぐに切って、角を皮膚から出っ張らせる。
  • 喫煙しない:血流を悪化させ患部の治癒を遅らせます。

潰瘍がある場合

  • 浅い:
    • トータルコンタクト型ギプス(下腿から足部にかけてピッタリとフィットさせたギプス)
    • 治療用中敷き
    • 靴型装具などによる潰瘍部分への体重負荷の軽減(感染のある場合は抗生物質も投与)
  • 深い:壊疽の治療に準ずる

壊疽がある場合

  • 入院による管理:糖尿病の徹底管理、感染に対する抗生物質投与、壊疽下部分の排膿、切除
  • 手術:傷を治すための血流改善のため血行再建術(ただし極端な血流不足、動脈硬化が著しい場合は適応がありません)

以上で改善が見られない場合は足部や下肢での切断が考慮されます。
一旦治癒しても再発が多いので定期的な受診は必要です。