骨粗しょう症検査ガイド:DXA法・QUS法・MD法の違い

こんにちは!
枚方大橋つじもと整形外科クリニックです。

骨密度の測定検査には、幾つかの測定方法があります。今回は骨密度検診で行われる3種類の測定方法の特徴についてチェックしていきます。

目次

骨粗しょう症検査って何を調べるの?

骨粗しょう症とは、骨の強度が低下して“ちょっとした転倒・くしゃみ”でも骨折しやすくなる状態です。早期に検査をして、骨折リスクを知ることが非常に大切です。
骨の強さを知るために「骨密度」を測定する方法が多数あります。今回は代表的な検査方法である「DXA法」「QUS法」「MD法」を比較しながら、当院でおすすめしているDXA法についてご紹介します。

検査方法の違い

以下に、3つの検査法の特徴を整理します。

■DXA法(Dual-Energy X-ray Absorptiometry/二重エネルギーX線吸収法)

  1. 2種類の異なるX線を骨に当て、骨と軟部組織の吸収率の違いから骨密度を測定します。
  2. 腰椎(背骨)・大腿骨近位部(股関節まわり)など、骨折のリスクが高い部位を測ることができます。
  3. 日本のガイドラインでも「骨粗しょう症の診断・治療効果判定に最も適した方法」とされています。
  4. 検査時間が短く、被ばく量も極めて少ないというデータがあります。
DXA法による骨密度測定
  • メリット:高精度。骨折しやすい重要部位を測定できる。治療効果のモニタリングにも適している。
  • 注意点/デメリット:専用の機器が必要で、実施できる医療機関が限られることがあります。

■QUS法(Quantitative Ultrasound/定量的超音波測定法)

  • 超音波をかかと(踵骨)やすねの骨に当てて、音波の速度や減衰の度合いから骨の硬さや強さを推定する方法です。
  • X線を使わないため、被ばくの心配がなく、検診やスクリーニング向きです。
QUS法による骨密度測定
  • メリット:簡便・短時間・体への負担少なし。妊娠中の方やX線を避けたい方にも使いやすい。
  • デメリット:骨粗しょう症の「診断」や治療効果の評価には十分とはされておらず、あくまでリスク把握・スクリーニング用途。

■MD法(Microdensitometry法/微小濃度測定法)

  • 指や手の骨(中手骨等)をX線撮影し、アルミニウム板などとの濃度比較から骨密度を評価する方法です。
  • 手軽で設備的ハードルが低いため、クリニック等でも導入されているケースがあります。
MD法による骨密度測定
  • メリット:機械が比較的簡便、検査導入しやすい。
  • デメリット:腰椎・大腿骨などの重要な部位を測定できないことが多く、治療効果の変化を捉えづらい。骨粗しょう症の診断・評価にはDXA法ほど推奨されていません。

なぜ当院ではDXA法をおすすめするのか

当院では、骨粗しょう症の早期発見・適切な治療開始・治療後の効果確認を重視しています。その観点から、DXA法による検査を以下の理由からおすすめしています。

  • 骨折リスクが高い部位(腰椎・大腿骨)を直接測定できるため、「本当に大切な部位」の状態を把握できます。
  • 高精度な測定により、治療の開始判断・継続・変更のタイミングを適切に把握できます。
  • 検査時間が短く、痛みもありませんので、通院の負担も少ないです。
  • 以前、QUS法やMD法で「骨密度は問題ない」と言われていた方でも、DXA法で詳しく測ることで、より明確な状況把握・治療方針決定につながることが多くあります。

また、検査結果を用いて理学療法・栄養指導・生活習慣改善といった当院の包括的な骨粗しょう症アプローチとも連携できるため、単に“数値を出す”だけではなく、患者様の骨の健康をトータルに支えることが可能です。

当院ではGE社の最新のDXA装置で測定しています

検査の流れ・受け方(当院でのご案内)

受付・問診

骨粗しょう症リスクの確認のためにFRAX(将来の骨折危険度の測定)や転倒リスク評価表の記入をしていただきます。

検査室へ移動

検査機械の上にあおむけに寝ていただき、腰椎・大腿骨近位部を測定します。検査自体は5分程度で終わります。

検査結果説明

その場で検査結果票をお渡しします。医師から検査結果の説明をします。検査結果に応じて骨粗しょう症治療を開始するかどうかを決めます。

次回検査のご案内

骨粗しょう症治療を開始する方は半年ごとの検査を推奨しています。骨密度に問題のない方でも1年に1回は検査をお勧めします。

※検査当日はファスナーのないズボンでご来院ください。(お着替えも用意していますので、ご安心ください)放射線量はごく少量で、検査自体に痛みはありません。

まとめ

骨粗しょう症の検査には、QUS法・MD法・DXA法といった選択肢があります。簡易な検査(QUS・MD)はスクリーニングとして有用ですが、骨粗しょう症の“診断”“治療効果の評価”には、精度・信頼性の観点からDXA法が推奨されます。
当院ではDXA法を用いた検査を行い、骨密度だけでなく、運動療法・栄養・生活習慣改善も含めた総合的なサポートをしています。骨の健康が気になったら、まずはお気軽にご相談ください。

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