高齢者が転倒した後に受診すべき症状とは?骨折を見逃さないためのポイントを解説

目次

高齢者の転倒は「ただの打撲」ではないことがあります

高齢者の転倒は珍しいことではありません。

しかし若い方と比べて骨が弱くなっていることが多く、「少し転んだだけ」と思っていても骨折しているケースがあります。

実際に当院であった事例では

  • 転んだ時に手をついて手首を骨折した
  • 尻もちをついて尾てい骨を骨折した
  • 重いものを持って背骨を骨折した
  • ベッドから落ちて股関節を骨折した

といった、通常の生活動作や軽い転倒によって骨折してしまう患者さまは少なくありません。

転倒後に次のような症状がある場合は整形外科の受診をおすすめします。


転倒後に受診をおすすめする症状

強い痛みが続いている

転倒直後はアドレナリンの影響で痛みを感じにくいことがあります。

数時間から翌日にかけて痛みが強くなることもあるため、

  • 痛みが改善しない
  • 動かすと強く痛む

場合は受診をおすすめします。


腫れや内出血がある

骨折や靭帯損傷では、

  • 腫れ
  • 青あざ(内出血)

が現れることがあります。

特に受傷後数日で内出血が広がる場合は注意が必要です。


歩けない、体重をかけられない

転倒後に

  • 歩くと痛い
  • 足をつけない
  • 立ち上がれない

場合は骨折の可能性があります。

特に股関節骨盤周囲の骨折では歩行が困難になることがあります。


腕が上がらない

肩から転倒した場合、

などが起こることがあります。

肩の痛みが強い場合や腕が上がらない場合は受診が必要です。


手首が痛い

転倒時に手をつくことで、

が起こることがあります。

高齢女性に非常に多い骨折のひとつです。


お尻や股関節が痛い

転倒後に

  • お尻が痛い
  • 股関節が痛い
  • 歩きにくい

場合は骨盤骨折大腿骨近位部骨折が隠れていることがあります。

レントゲンでは分かりにくい骨折もあるため注意が必要です。


高齢者に多い転倒後の骨折

手首の骨折(橈骨遠位端骨折転倒して手をついた際に起こります
肩の骨折(上腕骨近位端骨折高齢者に非常に多い骨折です
大腿骨近位部骨折寝たきりの原因にもなる重要な骨折です
骨盤骨折軽い転倒でも起こることがあります
肋骨骨折胸を打った後に呼吸や咳で痛みが出ます
腰の骨の骨折(椎体骨折転倒だけでなく重いものを持つだけで起こることも

「歩けるから骨折ではない」は間違いです

高齢者では骨折していても歩けることがあります。

特に、

  • 骨盤骨折
  • 不全骨折
  • 肋骨骨折

などは見逃されることがあります。

「歩けるから大丈夫」と自己判断せず、痛みが続く場合は受診しましょう。


骨折予防のために骨密度検査も重要

高齢になると筋力やバランス能力の低下により転倒しやすくなります。また、骨粗しょう症によって骨がもろくなっていると、わずかな転倒でも骨折につながることがあります。

そのため、女性では65歳以上、男性では70歳以上になったら、一度は骨密度検査を受けることをおすすめします。

骨粗しょう症は自覚症状がほとんどなく、骨折するまで気づかれないことも少なくありません。しかし、骨折を起こしてからでは生活の質が大きく低下し、場合によっては介護が必要になることもあります。

介護に至る原因の第3位が骨折

特に、手首・肩・背骨・股関節などの骨折を経験した方は、骨粗しょう症が隠れている可能性があります。骨折後に骨密度検査を行い、必要に応じて治療を開始することで、将来の2回目、3回目の骨折を予防できる可能性があります。

「まだ骨折したことがないから大丈夫」ではなく、「骨折する前に骨密度を測る」ことが大切です。

当院ではDXA(デキサ)法による骨密度検査を行い、骨粗しょう症の早期発見・早期治療に取り組んでいます。転倒が心配な方や65歳以上の女性、70歳以上の男性の方は、お気軽にご相談ください。

当院では精密検査に値する「DXA法」で骨密度を測ることができます

まとめ

高齢者の転倒では、見た目には大きなケガがなくても骨折していることがあります。

特に次のような症状がある場合は整形外科を受診しましょう。

  • 強い痛みが続く
  • 腫れや内出血がある
  • 歩けない
  • 腕が上がらない
  • 手首が痛い
  • 股関節やお尻が痛い

早期診断・早期治療によって痛みの軽減や早期回復につながります。


院長紹介

枚方大橋つじもと整形外科クリニック
院長 辻本 武尊

私はこれまで約18年間にわたり大学病院や地域の中核病院で整形外科診療に従事し、脊椎疾患を専門としながら、関節疾患やスポーツ障害、骨粗しょう症など幅広い診療を行ってまいりました。脊椎疾患では1,000件以上の執刀、2,000件以上の手術に携わった経験があります。

当院では、専門分野である脊椎疾患はもちろん、整形外科全般の診療に対応しています。患者さま一人ひとりの症状や生活背景に合わせ、治療から予防、リハビリテーションまで総合的な医療を提供いたします。お身体のことでお困りの際は、お気軽にご相談ください。

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