健康的に痩せるために大切な「栄養バランスの良い食事」とは?

ウゴービなど肥満症治療を行い、食欲が低下すると、「とにかく食べる量を減らせばいい」と考えてしまう方も少なくありません。しかし、健康的に体重を減らすためには、単に食事量を減らすだけではなく、必要な栄養素をしっかり摂ることが大切です。
しかし、栄養素や成分は単体ではその機能を発揮せず、いくつかが作用しあって初めて働きます。
特定の栄養素にこだわるよりも、まず栄養バランスの良い食事を規則正しくとることが、健康的に痩せるための近道です。
今回は、栄養バランスを考えるための代表的な4つの方法についてご紹介します。
① 食卓の“彩り”で考える
栄養バランスを簡単に意識する方法のひとつが、「食卓の色」を見ることです。
例えば、
- 赤:肉、魚、トマト
- 緑:野菜、葉物
- 黄:卵、かぼちゃ、芋類
- 白:ご飯、豆腐、乳製品
- 黒・茶:海藻、きのこ類

「今日は食卓に何色あるかな?」と考えるだけでも、栄養バランスを意識しやすくなります。
調理法が重複しないように注意!
揚げ物が2品、炒め物が2品など調理法が被ると、どうしても油の摂りすぎなどの偏りが出てきます。色彩を考えるのと同時に、揚げる、炒める、蒸す、ゆでる、生で食べるなどの調理法が重ならないようにしましょう。これは1食の中だけではなく、1日3食・朝昼晩の調理法を変えることで。栄養バランスを保つことができます。
② 「一汁三菜」で考える
日本の伝統的な食事スタイルである「一汁三菜」も、栄養バランスを整えやすい方法です。
一汁三菜の構成例は以下の通りです。
- 主食(炭水化物の供給源となるご飯やパン、麺類など)
- 主菜(たんぱく源となる魚介や肉、卵、大豆製品のおかず)
- 副菜2品(ビタミンやミネラル源となる野菜、キノコ類、海藻、大豆製品などのおかず)
- 汁物(主菜や副菜で足りない栄養素を補う。塩分の摂りすぎに注意し、1日1~2回程度でOK。代わりに副菜もう1品でも◎)
例えば、このような献立例を参考にしてください。

完璧を目指す必要はありません。
まずは「主食だけで終わらせない」ことが大切です。
和食献立で考える
旬の食材を生かして季節や自然を表現する和食は、栄養バランスにも優れています。伝統的な和食に肉や乳製品を組み合わせれば、さらにバランスの良い食事になります。
【和食のココがいい!】
- 一汁三菜のスタイル:ご飯を基本に多彩なおかずを組み合わせる基本スタイルで、炭水化物、タンパク質、ビタミンやミネラルをバランスよくとることができます
- 魚や野菜などの食材を使用:魚や野菜、キノコ、大豆などの食材は脂質が少なく、食物繊維が豊富なのが特徴
- バラエティー豊かな発酵食品を使用:味噌や醤油、みりんといった発酵調味料を多く使い、納豆や鰹節、塩辛などの発酵食品も豊富。腸内環境を整えることができます
- だしによる味付け:薄味が基本。味噌や醤油などを控えて、昆布や鰹節による、だしのうまみを味のベースにすれば料理の減塩もしやすい
③ 食品群で考える
栄養素の働きの特徴ごとに、「食品群」を分けて考えるやり方です。
それぞれのグループから偏りがないように選ぶことで、栄養バランスの良い食事になります。
分け方は3色食品群と6つの基礎食品群がありますが、使い方はどちらも同じです。

④ 食事摂取基準で考える
「日本人の食事摂取基準」は、健康の保持・増進、生活習慣の改善、生活機能の維持・向上のために厚生労働省が制定した、エネルギーと各栄養素の摂取量の基準です。
エネルギー不足や栄養素不足、また過剰摂取による健康障害の予防や生活習慣病の予防などを目的として定められています。
※厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2025年度版)「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書
食事摂取基準の見方
- 推定平均必要量
-
これだけとれば、接種不足を回避するための必要量を半数の人は満たすと考えられる量
- 推奨量
-
これだけとれば、摂取不足を回避するための必要量をほとんどの人は満たすと考えられる量
- 目安量
-
これだけとれば、摂取不足を回避するため、一定の栄養状態を維持するのに十分と思われる量
- 耐用上限量
-
過剰摂取によって健康障害が起こるのを回避するための摂取上限量
- 目標量
-
生活習慣病と大きく関わるタンパク質や脂質など一部の栄養素について、予防のため、現代の日本人が目標とすべき量
専門家のための科学的データではありますが、だれでも閲覧可能ですので「本格的に栄養を学びたい!」という方は、一度ご確認ください。
まずは自分の出来ることから少しずつ
栄養バランスは、「完璧な食事」を毎回目指すことではありません。
大切なのは、
- いろいろな食品を食べる
- 偏りすぎない
- 無理なく続ける
ことです。
「食卓の彩り」や「一汁三菜」など、まずはできるところから意識してみましょう。
毎日の小さな積み重ねが、健康的な体づくりや、体調を崩しにくい身体につながっていきます。

監修:辻本武尊(枚方大橋つじもと整形外科クリニック院長・医学博士)
参考文献:飯田薫子・寺本あい 監修『一生役立つ きちんとわかる栄養学』西東社
