短腓骨筋腱炎
原因
短腓骨筋(すねの外側にある筋肉)の腱が、第5中足骨の付着部分で過度に引っ張られることによって発症します。特に、足の外側に体重をかける癖、靴底がすり減った靴、不慣れな靴の使用、O脚などの骨格的バランス異常、足関節のねんざの既往などが負荷を増やす要因となります。
また、体育館競技などでの切り返しや踏み返し動作の繰り返しも腱に負担をかけやすい状況です。

症状
足の外側かかと寄りの骨の突出部を押すと痛みが出ます。また、歩行や走るとき、踏み返し・蹴りだしの瞬間に痛みを感じることがあります。運動時や日常動作でも痛みが影響してきます。腫れや赤みなどの目立つ炎症所見はあまり見られないことが多いです。
診断
次のような症状が認められる場合、短腓骨筋腱炎と診断されます。
- 触診で、痛む部位の圧痛を確認します
- レントゲンでは骨に明らかな変化が見られないことが多く、骨折や他の疾患との鑑別を行うためにMRI等を使うことがあります
- イズリン病、剥離骨折、ジョーンズ骨折などとの鑑別が重要です
治療
急性期
痛みや腫れが強いときは、冷却(アイシング)と安静を徹底します。期間は通常2〜4週間程度です。
負荷を軽くするため、ヒールパッド、テーピング、インソール・片側ウェッジ(靴底の外側を厚くするもの)などの装具を使うことがあります。
リハビリおよび再発予防
痛みが落ち着いたらストレッチや軽い運動を開始し、徐々に腓骨筋を鍛えるトレーニングを取り入れます。バランストレーニングや筋力トレーニングも併用し、フォームや足の使い方を改善して再発を防ぎます。
予防
- 靴底のすり減りをこまめにチェックし、適切な靴を選ぶ
- 練習量や強度を急激に上げない
- 足部・下肢の筋力と柔軟性を保つ
- 足の荷重バランスを偏らせないよう意識する
- 捻挫など足関節の障害を放置せず、きちんとリハビリを行う

短腓骨筋腱炎は、運動や歩行の繰り返しによって足首の外側に痛みを感じる疾患です。軽症のうちに適切な治療やリハビリを行うことで、早期の回復が期待できます。放置すると慢性化や再発につながることもあるため、気になる痛みが続く場合はお早めにご相談ください。
▶参考:日本整形外科学会
▶監修:辻本武尊(枚方大橋つじもと整形外科クリニック院長・医学博士)
当クリニックでは、患者様の症状や治療に合わせた疾患別パンフレットをご用意しています。下記リンクからもダウンロードできますので、ご活用ください。
