ビタミンKで骨を強くする|納豆と骨折予防の関係とは?

これまで、カルシウムやビタミンDについて解説してきました。
最後にご紹介するのは、カルシウムを骨に“定着させる”ビタミンKです。
■ビタミンKの役割とは?
ビタミンKは、カルシウムを骨に取り込む働きを助ける栄養素です。
骨の中では「オステオカルシン」というたんぱく質が重要な役割を担っていますが、
ビタミンKはこのオステオカルシンを活性化し、カルシウムを骨にしっかり結びつける働きがあります。
つまり、カルシウムを“骨に定着させる”役割を担っているのがビタミンKです。
■納豆と骨折リスクの関係
ビタミンKを多く含む食品として代表的なのが「納豆」です。
日本では、納豆をよく食べる地域ほど大腿骨近位部骨折(足の付け根の骨折)が少ないという研究報告があります。

これは、納豆に豊富に含まれるビタミンKが、骨の強さを保つことに関係している可能性があると考えられています。
日常的に納豆を食べる習慣は、骨粗しょう症予防のひとつのポイントになるかもしれません。
■どんな食品に多く含まれる?
ビタミンKは以下の食品に多く含まれています。
| 食べ物(1回に取る量) | 含有量㎍ |
|---|---|
| ひきわり納豆(1パック50g) | 465 |
| 納豆(1パック50g) | 300 |
| モロヘイヤ(1/2束50g) | 320 |
| ブロッコリー(1/2株100g) | 160 |
| 小松菜(1/3束100g) | 210 |
| ほうれん草(1/2束100g) | 270 |
| 豆苗(1/2束50g) | 140 |
比較的日常の食事に取り入れやすい栄養素です。
■カルシウム・ビタミンDとの関係
骨の健康には、それぞれの役割があります。
・カルシウム:骨の材料
・ビタミンD:吸収を助ける
・ビタミンK:骨に定着させる
この3つがそろって初めて、骨はしっかりと強くなります。
■その他にも重要な栄養素があります
骨の健康には、ビタミンK以外にもさまざまな栄養素が関わっています。
◆ビタミンC
骨のコラーゲン合成に関与していると考えられています。
◆マグネシウム
不足すると副甲状腺ホルモンの働きに影響を与え、骨粗しょう症との関連が示唆されています。
豆類・穀類・根菜・緑黄色野菜に多く含まれます。
◆カリウム
ナトリウム(塩分)によるカルシウムの尿中排出を抑える働きがあります。
果物や野菜、根菜類に多く含まれます。
◆リン
骨に必要な栄養素ですが、過剰に摂取するとカルシウムと結合し、低カルシウム血症を引き起こすことがあります。
その結果、骨吸収が亢進する可能性があります。
通常の食事で不足することはほとんどありませんが、加工食品の摂りすぎには注意が必要です。
また、カルシウムサプリメントの使用によってリンの吸収が低下する可能性も指摘されています。
■まとめ
骨の健康は、ひとつの栄養素だけでは守れません。
・カルシウム(材料)
・ビタミンD(吸収)
・ビタミンK(定着)
に加えて、さまざまな栄養素をバランスよく摂ることが大切です。
日々の食事を見直すことが、将来の骨折予防につながります。
▶監修:辻本武尊(枚方大橋つじもと整形外科クリニック院長、医学博士、日本骨粗鬆症学会認定医)
