頚椎脱臼骨折

症状

激しい首の痛みの他に、最も深刻な症状として脊髄損傷の症状（動きの制限、手足の痺れ、歩行障害など）を呈することがあります。

原因

頚椎脱臼骨折とは、頚椎（首の骨）の脱臼と骨折が合併した状態のことをいいます。

頭部や頚部に直接大きな衝撃・外力を受けることが主な原因です。激しい交通（衝突）事故のよる衝撃・反動により頚部を過屈曲・過回旋する等で発症します。他にも、ラグビーなどの頭頚部に外力を受けることの多いスポーツ等でも受傷することがあります。

頚椎脱臼骨折では、折れた骨片やずれた関節によって、運動機能や感覚機能を司る頚髄（頚部の脊髄）の損傷します。 また、脱臼は、骨折の場合よりも血管や靱帯、神経の損傷を伴いやすく、特に後縦靱帯を断裂してしまうことが多くみられます。

診断

頚椎脱臼骨折は、破裂骨折との判別がつきにくいうえ、脱臼に至る手前の亜脱臼である場合は見逃されてしまうことがあります。そのため、脊椎脊髄専門医による診断が確実です。症状を確認したうえ、X線やCT撮影による画像検査を行います。頚髄損傷の疑いがある場合はMRI検査を追加します。

治療

保存療法

脱臼・骨折の状態が軽度で、頚髄損傷のおそれがない場合は、手術を行わず保存的治療を施されることもあります。頚椎カラーを装着し、頚椎の安定性をはかります。

手術療法

不安定性が強ければ手術で損傷部位を固定します。椎体（脊椎の前方の骨）の圧潰が強く、骨片が神経を強く圧迫している場合は骨片を除去して骨を移植して固定します（前方法）。スクリューの力にて脊椎を矯正して強固に固定する方法もあります（後方法）。