腰椎筋膜症(筋・筋膜性腰痛)
症状
腰の周辺に軽い痛みがあったり、腰がなんとなく疲れる、腰がこる、だるい、重苦しい感じがするといった腰の不快感を感じます。腰を休ませずに放置していると徐々に痛みが強まっていく傾向があり、突然強い痛みに襲われる「ぎっくり腰」が起こることもあります。
原因
腰の周りには多くの筋肉が存在します。一般的に背筋といわれる筋肉は脊柱起立筋と呼ばれ、この筋肉が働くことで腰を反らしたり、背中を伸ばすことができます。
また、背中や腰には、胸腰筋膜という筋膜が張り巡らされています。筋膜とは筋肉の周りに張っている薄い膜のことで、様々な方向に伸びる性質をもっています。筋膜は全身に張り巡らされていて身体を支える重要な役割を果たしています。胸腰筋膜は、背中が丸くならないように体を支えるとともに、全身の筋肉と腰の筋肉をつなげています。
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主に脊柱起立筋や胸腰椎筋膜が原因となって起こる腰痛のことを、腰椎筋膜症(筋・筋膜性腰痛)といいます。
腰を使う作業や、腰の負担が大きい姿勢を続けていると、これらの筋肉や筋膜が緊張して固くなります。柔軟性が低下することで損傷しやすくなるほか、血行も悪くなって炎症や疲労が発生しやすくなり、痛みにつながります。
筋肉疲労が軽めの初期は、いわゆる”筋肉痛”の状態ですが、疲労が更に蓄積すると、捻挫によるぎっくり腰や肉離れなども起こります。
診断
どんな痛みか、痛みの発生したきっかけ、普段の生活で腰に負担をかける要因があるかといった点を問診で確認するほか、患部の状態を見たり、触ったり叩いた時の反応を確認します。
筋肉の腫れが確認できれば筋・筋膜性腰痛の可能性が高くなります。しかし筋肉内部が傷ついている場合は、患部を目で見ても分からず、レントゲン)などの画像でも異常を確認できないため、どこが悪いのかを断定するのは難しいケースが多くなります。
治療
痛みが軽い筋肉痛であれば、日常生活において腰が痛むような姿勢や動作を極力控えていれば数日~1週間程度で良くなります。
- 痛みの原因が思いあたらない
- 数日安静にしても痛みが全くよくならない
- 腰痛以外にも気になる症状や違和感がある
痛みが軽くても、上記の場合は筋肉疲労とは別の原因の可能性もあるため、整形外科を受診するようにしましょう。
治療
- 薬物療法:
炎症を抑えて痛みを和らげる消炎鎮痛作用のある薬を使用します。 - トリガーポイント注射:
痛みのある部分に直接局所麻酔薬を注射することで痛みが劇的に改善することがあります。
当クリニックでは熟達した医師によるトリガーポイント注射を行っております。 - 運動療法:
ストレッチ運動などを行い、腰の筋肉を伸ばして筋肉の緊張を和らげます。関節のズレによる腰の捻挫が原因となっている場合は、関節の矯正を行います。 - 温熱療法:
ホットパックなどで腰を温め、血行をよくします。筋肉の緊張がほぐれて痛みが和らぐほか、疲労物質が流れ出て回復が早まります。 - 装具療法:
コルセットなどで腰を支え、負担を減らします。