強直性脊椎骨増殖症
症状
主な症状として、脊椎の可動域が制限されたり、骨化に伴う食道の圧迫による嚥下障害(飲み込みにくい)やかすれ声、ヒューヒューとした咳、呼吸困難、嚥下障害による誤嚥性肺炎、睡眠時無呼吸症候群などが挙げられます。
原因
加齢により、脊髄の前縦靱帯が骨に変化(骨化)し、強直(硬くなる)することで症状をきたす疾患です。
後縦靱帯、黄色靭帯や脊椎以外の靱帯の骨化を合併すると脊髄症や神経根症を引き起こすことがあります。強直化した脊柱は外傷により、横骨折(※1)を合併しやすく、脊髄損傷や偽関節(※2)を起こす可能性もあります。
(※1)真横にまっすぐ折れる骨折
(※2)骨折部が完全にくっつかず、実際には間接ではない部分が関節のように動くこと
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診断
画像検査により、次の状態が認められた時に診断されます。
- 少なくとも連続する4椎体以上の前面〜側面の骨化がある。
- 椎間板変性疾患はほとんどなく、椎間腔が保たれている。
- 椎間関節、仙腸関節の変性に乏しい。
治療
強直性脊椎骨増殖症そのものは加齢性変化の一つと考えられているため、特別な治療薬や手術方法などはありません。運動により症状が和らぐので、無理のない範囲での体幹や股関節のストレッチなど、運動療法を行います。
いくつかの椎体が骨化により連続しているため、背骨の動きが悪くなります。また、つながっていない椎体に過度な負担がかかり、痛みが出る場合があります。痛みに対しては、基本的には非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用します。慢性的な痛みであれば弱オピオイドやデュロキセチンを内服します。
また、脊椎への負担が続くと、少しの衝撃で脊椎の骨折を起こしてしまう場合もあります。そのため、転倒しないように注意することが大切です。
運動麻痺や間欠跛行の増強など神経症状の悪化が認められる場合には,手術を行うこともあります。
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