デュピュイトラン拘縮

症状

手のひらから指にかけて硬結(コブのようなもの)ができ、皮膚がひきつれて徐々に伸ばしにくくなります。

薬指、小指に多く見られますが、他の指や足の裏にもできることがあります。痛みはあまりありません。

症状が進行すると指の屈曲は非常に強くなり、ドアノブをまわす、洗顔をする、車の運転をするなどの日常生活上の動作に支障をきたすようになります

原因

詳しい原因は分かっていません。 高齢男性、糖尿病の方に多くみられます。

指を曲げるすじ(腱)は正常で、皮膚や周囲の組織(筋膜)の異常です。指を曲げる腱が浮き上がっているように触れるかもしれませんが、それは腱膜が肥厚し退縮したものです。

診断

腱の断裂や癒着、腫瘍など他の病気と区別する必要があります。 手の硬結の典型的な指の変形により、専門医が見れば診断がつきます。

治療

指の変形で日常生活に支障をきたすようになると、皮膚の突っ張りを取る手術 (筋膜切除)を行います。

手術後には後療法(リハビリ、装具療法)が大切です。また、最近ではタンパク分解酵素(コラゲナーゼ)を注入する治療も注目されています(酵素注入療法は2020年より日本では薬剤が供給停止となっており、在庫切れのため現在(2024年5月現在)は使用できません)。

皮膚切開の一例(ジグザグ皮切)