変形性股関節症

症状

主な症状は歩行時の足の付け根の痛みです。症状が進むと変形が生じ、股関節の動きも制限され、靴下をはいたり、和式トイレが困難になります。

初期

立ち上がりや歩き始めに足の付け根の痛みが生じ、歩いていると軽快してきます。痛みはありますが、運動制限はあまり見られません。

進行期

歩行時や動作中に痛みが強くなります。また、靴下をはいたり、足の爪切り、 正座や和式トイレなどが、難しくなるなど、股関節の運動制限が見られます。

末期

足の付け根が伸びなくなり、膝頭が外を向くようになります。 また左右の足の長さも違ってくることで、歩行異常がみられます。(=脚短縮による硬性墜下性歩行)

原因

発症年齢は40〜50歳代、女性に多く、男性の7倍と言われています。

原因は先天性股関節脱臼の後遺症や股関節(臼蓋)の形成不全、臼蓋と大腿骨頭の擦れ(インピンジメント)、外傷が主なものです。
特に、先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全が原因で長い年月のうちに変形性股関節症となるケースが90%を占めています。親戚や親兄弟に先天性股関節脱臼や股関節疾患の患者がいる場合には、股関節形成不全の可能性があります。

診断

問診や診察などのあとで、股関節の可動域制限やレントゲン写真をみて診断します。必要に応じてCTとMRIなどの検査を行います。

治療

予防

  • 近親者に股関節脱臼の患者がいる場合には、かかりつけの整形外科でみてもらう必要があります。
  • 体重の増加に十分注意します。
  • 下肢を広げる筋肉(中殿筋)をゴムチューブを使用し強化します。

治療

  • 日常生活での注意
    ダイエットに心がけ、日常の歩行では杖をつきます。
  • 運動療法
    水中歩行や水泳などで臀部周囲の筋力増強を行います。
  • 投薬
    痛みが強い場合は、消炎鎮痛剤の内服や外用薬が有効です。
  • 手術
    股関節の状態にもよりますが、股関節の形成術や変形が高度な場合には人工関節手術を行うこともあります。