股関節炎
症状
股関節は歩行などによって体重の負荷が大きい関節であるため、関節に負荷がかかると非常に強い痛みが生じて立位や歩行が困難になるケースも少なくありません。また、痛みは股関節に留まらず、大腿の前面や内側、膝にまで及ぶこともあります。(股関節自体の痛みは全く訴えないことも珍しくありません)
股関節内では炎症によって液体貯留が見られることがあり、関節運動が制限されることがあります。特に単純性股関節炎では外転・外旋位をとるのが特徴で、患肢が長く見えます。
原因
膝関節炎は数種類に分けられ、「化膿性股関節炎」や「単純性股関節炎」などがあります。
単純性(非感染性)股関節炎
3~8歳ごろの男児に好発しますが 、発症メカニズムは明確には解明されていません。外傷やアレルギーによるものなどさまざまな原因が考えられていますが、はっきりとした原因はいまだ不明であり、非特異的な滑膜炎であるとされています。また、ほとんどの例では、経過観察のみで治ります。
感染性股関節炎
生後一ヶ月未満の新生児期から乳児期にかけてよく起こり、先天性疾患児や免疫の働きが不十分な低体重児の発症率が高いです。また、成人でも免疫力が落ちる疾患や免疫抑制剤の服用、人工関節の感染によって発症する場合があります。
最も多い原因菌が黄色ブドウ球菌で、中耳炎や肺炎などの病巣から血行性に感染して発症する場合が大半です。結核菌やマイコプラズマ、梅毒、淋菌なども原因となる可能性があります。
小児が発症すると、発症部位の場所が深いところにあるため状況が正しく分からないことがあり、上記の様子などから判断します。
診断
単純レントゲン検査で股関節の骨に異常がないか、超音波検査では関節内に水腫があるかどうかの確認を行います。ペルテス病・化膿性股関節炎鑑別のためにはMRI検査が有用です。