変形性足関節症

症状

変形性足関節症では足関節に痛みが生じ、とくに軟骨のすり減っている部分に痛みがあり、歩行時に強くなります。変形が進行すると、外観上も足関節が内反(内側に傾くこと)や外反(外側に傾くこと)することがあります。

原因

骨と骨が連結する関節は表面が軟骨でおおわれています。軟骨がすり減っている状態を変形性関節症といい、足関節に発症した場合は変形性足関節症となります。

外傷や関節炎によって発症することもありますが、明らかな原因がなく発症することもあります。この場合は足関節が不安定な人に生じることが多いです。女性に多く、内側のくるぶし側の関節面から変形することが多く見られます。

一度すり減った軟骨は元に戻らないため、それ以上変形が進まないように心がけます。また変形が高度に進行した場合は手術を行うことがあります。

診断

以下の症状が見られた場合、変形性足関節症と診断されます。

  • 足関節に痛みを感じ、歩行時に増強する。
  • 足関節が腫れ、外観上、内反や外反の変形を認める。
  • 足関節不安定性を認める。
  • 足関節のレントゲン撮影にて、関節の隙間が狭くなっている。

治療

保存的療法

変形の程度が軽い場合、手術を行わない保存的治療法を行います。

  • 足底挿板(靴の中敷き・インソール)を用いて足の外側を持ち上げることにより、内側に集中している荷重を外側に移動させます。
  • 足関節に痛み止めや炎症止めの注射を打つことがあります。
  • 体重管理も重要です。

手術療法

比較的進んだ変形の場合、程度や年齢、活動性に応じて様々な手術療法が検討されます。

  • 下位脛骨骨切術:
    脛骨(スネの骨)を切り、関節の傾きを矯正して固定する手術法です。それほど変形が進んでいない場合に行います。
  • 足関節固定術:
    変形が進行した場合に行います。固定しても周辺の関節は動くため、日常生活で困ることはほとんどありません。
  • 人工足関節置換術:
    変形した足関節を人工の関節部品で置き換えることで痛みを軽減し、関節の機能を回復させます。