小児足関節捻挫

症状

足首をひねって足首の周囲の靭帯や、小児の場合は付着部の骨を痛める怪我です。

損傷した場所により、外くるぶしの直上や下方に痛みが起こります。

痛みで体重をかけられなかったり、 腫れが強かったり、皮下出血が多い場合は重症の可能性があり注意が必要です。

原因

野球やサッカーなどのスポーツ中や、遊びや日常生活でもくぼみや段差で足を取られたり、ジャンプの着地で足首をひねることなどで起こります。

ほとんどが足首を内側にひねって起こり(内返し捻挫)、足首の外側の靭帯が痛みます。子供の場合は骨端線(成長線)があり、骨化が完成していないため、靭帯の実質部断裂はまれで、骨端線を損傷する場合や靭帯の付着部に裂離骨片や軟骨の裂離を伴う場合があります。

裂離骨片が遺残してて、足関節にゆるみが残ることもあります。足関節にゆるみが残ったまま成長すると、足関節不安定症の症状を呈し,最終的に変形性足関節症になることが多いと考えられています。

診断

以下の症状が認められた場合、小児の足関節症と診断されます。

  • 足関節の内返しにひねったエピソードがある。
  • 外くるぶしの直上や前方、下方に腫れと痛みがある。
  • 足首を内返しや前方にひねると、不安感と痛みがある。

足関節単純X線で正面、側面像と内旋斜位像や軸位撮影などで骨折や足関節外果の骨端線損傷や裂離骨片があるか確認する。超音波エコーにても確認ができます。

治療

初期治療

  • 受傷直後、現場でRICE(安静・冷却・圧迫・挙上)処置を行います。

保存療法

  • 初回の捻挫、腫脹や皮下出血が強い場合、痛みで荷重をかけられない場合には、ギプス固定を2~4週間行います。
  • 新鮮な裂離骨片の場合、骨癒合が得られずに不安定性や痛みが残ることがあり、固定期間を長めにして骨癒合を目指す場合もあります。
  • 固定除去後はサポーターなどで保護し、関節可動域訓練、捻挫予防の理学療法を行います。

手術療法

  • 足首のゆるみがひどい場合や新鮮な剥離骨片が大きく離れている場合には、手術を行うことがあります。