肘内障

症状

子供が手を引っ張られた後などに、痛がって腕を下げたままで動かさなくなります。

ただし、肘を動かさない限り骨折のような激しい痛みは生じないため、泣かずにじっとしている子供も多くいます。

肘内障症状骨折
動かさない限りはない痛み動かさなくても痛む
あまり痛くない圧迫すると激しく痛む
なし腫れあり
なし手指の変色(循環障害)あることもある
肘内障と骨折の症状の違い

病態

肘の外側の骨(橈骨頭)から輪状靭帯がはずれかける「亜脱臼」を起こしてしまった状態です。

輪状靭帯が発達していない1歳未満から6歳くらいの子どもに多くみられます。

診断

肘内障の約50%は、子どもの手を引っぱったときに起こります。このほかの50%は、子どもが転んで手をついたときや腕をひねったとき、肘を打ったときなど、多岐に渡ります。

こうした受傷時の状況や肘をやや曲げて腕を下げたままで、痛がって動かそうとしないことで疑います。
レントゲン写真で異常がないことを確認することがあります。

治療

徒手整復を行います。
整復の後はいつもどおり、腕を使用してかまいません。 繰り返すこともあるので注意してください。

肘内障は「手を引っ張らないこと」が大事ですが、動く子供に対して現実的には難しいこともあります。子供の手を引っ張った後、転んだ後に手を動かさない様子があれば、受診しましょう。