腰椎椎間板ヘルニア
症状
腰椎椎間板ヘルニアでは腰やお尻が痛み、下肢にしびれや痛みが放散したり、足に力が入りにくくなります。背骨が横に曲がり(疼痛性側弯)動きにくくなり、 重いものを持つと痛みが強くなることがあります。
腰部脊柱管狭窄症との違い
腰部脊柱管狭窄症は、おじぎをしたり椅子に座るなど、前かがみの姿勢で症状が楽になります。
一方、椎間板ヘルニアは、前かがみの姿勢で症状が強まるのが特徴です。
原因
姿勢や動作を支えているのが、背骨の腰の部分である腰椎です。腰椎は5つの椎骨で構成され、椎骨と椎骨の間にはクッションの役割をする椎間板があります。
その椎間板に何らかの原因でひびが入り、椎間板の内部にある髄核というゼリー状の組織が一部飛び出して、神経を圧迫するのが椎間板ヘルニアです。特に多く発症するのが10~40歳代の若い世代です。
椎間板ヘルニアの発症理由の1つに、遺伝との関係が考えられています。また、加齢や悪い姿勢での動作、喫煙も関係することが報告されています。スポーツは、直接的には関係しないと考えられています。
診断
下肢進展挙上試験(膝を伸ばしたまま下肢を挙上し坐骨神経痛の出現を見る)や下肢の感覚が鈍いかどうか、足の力が弱くなっていないかなどで診断します。
さらにレントゲン撮影、MRI などで検査を行い診断を確定します。ただしMRI画像で椎間板が膨らみだしていても、症状がなければ多くの場合は問題ありません。
治療
椎間板ヘルニアの多くは、何の対策を取らなくても6か月以内に症状が消失します。
しかし多くの方は、今すぐにつらい痛みを無くしたいと思うでしょう。痛みが強い時期には安静を心がけ、コルセットをつけたりします。また消炎鎮痛剤を飲んだり、神経ブロック(神経の周りに痛みや炎症を抑える薬を注射する) を行い痛みを和らげます。腰を温めるのもよいでしょう。
痛みが軽くなれば、運動療法を行うこともあります。これらの方法でよくならない場合や下肢の脱力、排尿障害がある時などは、手術をお勧めすることもあります。