肩こり

症状

首すじ、首の付け根から肩、または背中にかけて張ったり、凝ったり、痛いような感じがします。また、頭痛や吐き気を伴うことがあります。 肩こりに関係する筋肉はいろいろありますが、首の後ろから肩、背中にかけて張っている僧帽筋という幅広い筋肉がその中心となります。

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原因

厚生労働省が2019年に実施した「国民生活基礎調査」によると、体の不調に関する自覚症状のうち、女性では「肩こり」が最も多いという結果でした。(男性は1位が腰痛、2位が肩こり)

肩こりの原因ははっきりとはまだ分かっていませんが、次にあげられる原因が考えられています。

  • 首や背中が緊張するような姿勢での作業
  • 姿勢の良くない人(猫背、前かがみ)
  • 運動不足
  • 精神的なストレス
  • なで肩
  • 連続して長時間同じ姿勢をとること
  • ショルダーバッグ
  • 冷やしすぎ

診断

問診や神経学的診察、特に触診での僧帽筋の圧痛と筋緊張、肩関節可動域や頚椎疾患のチェックなどで診断します。レントゲン撮影のほか、必要により MRI、 筋電図、血圧測定などの検査も行います。

治療

予防

肩こりは予防が大切です。

  • 同じ姿勢を長く続けない。
  • 蒸しタオルなどで肩を温めて筋肉の血行を良くし疲労を取る。
  • 適度な運動や体操をする。
  • 入浴し体を温め、リラックスをする。

治療

  • 運動療法:筋肉の血流改善、筋肉のコリをやわらげる、肩の筋肉強化
  • 温熱療法:蒸しタオル、入浴など
  • 安静
  • 薬物療法:筋緊張緩和薬、湿布薬、局所注射など
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肩こりと鑑別すべき病気の例

肩こりに加えて、次の症状はありませんか?

  • 左肩のみに症状が出現する
  • 胸痛を伴う肩の痛み
  • 重く、圧迫感のある痛み
  • 経験のない激しい痛み
  • 短時間で肩こりの強弱が変わる
  • 階段を上ると痛みが強くなる
  • 肘までコリを感じる
  • 肩・腕が抜けるような感じがする
  • 手・腕の痺れを伴う

これらは狭心症による放散痛(※)の可能性もあります。

(※)放散痛:病気になった臓器の痛みが、別の部位に生じる現象を言います。
心臓の痛みを伝達する神経は、肩につながる神経と同じ領域に存在しています。そのため狭心症の発作が生じた際に、肩こりのような症状が出る場合があります。

「肩こり以外の症状がある」、「生活習慣の見直しや体操を続けても肩こりが治らない」ときは、まずは整形外科を受診しましょう。そして肩こり以外の症状があれば、必ず医師に伝えましょう。ほかの病気が疑われる場合には、適切な診療科に紹介いたします。