変形性肘関節症
症状
運動や作業の後、肘の痛みが出るのが特徴です。
進行により、顔に手が届きにくくなったり、肘が完全に伸びきらないなど、肘関節の動きに制限が出てきます。
最終的に進行が進むと、肘関節の内側を走行する尺骨神経が圧迫され、薬指と小指の感覚異常が起こるといった肘部管症候群を引き起こす可能性が出てきます。
原因
大工さんや削岩機、チェーンソーを扱ってきたような人、スポーツ選手などは長い間、肘関節に大きな負荷がかかったため、肘の軟骨が壊れ、余分な骨である骨棘ができることにより、痛みと動きの制限が出てきます。
診断
症状や身体検査結果を評価し、肘の可動域や痛みの程度などを調べるとともに、変形の度合いをレントゲンで確認します。レントゲンだけでは判断しづらい場合などは、CT撮影を行う事もあります。
治療
体重のかかる股関節や膝関節と違って、普段は肘には大きな力はかかりませんので、痛みはあまり強くありません。抗炎症剤の内服、湿布、温熱療法、関節内注射などで痛みが改善することがほとんどです。
骨棘により肘の動きが制限される場合、リハビリを行っても、十分な効果が得られないことがあります。その際、日常の動作に大きな支障があるときには、骨棘を取り除いて肘の動きを良くする手術を行うこともあります。
変形性肘関節症による肘部管症候群は、症状は進行性ですので、運動麻痺や手の筋肉の萎縮が出れば、早期に手術が必要です。