骨盤剥離骨折

症状

成長期にランニングやダッシュ、ジャンプ、ボールのキックなどで骨盤やお尻に強い痛みを訴え、骨盤の骨端線部に剥離骨折が起こります。

病態

成長期の骨盤では、骨端線が残っているため、筋肉の急激な収縮による牽引力により力学的に弱い骨端線部に剥離骨折をおこします。

  • 上前腸骨棘(ベルトのかかるでっぱり)ではスタートダッシュなどで縫工筋の収縮
  • 下前腸骨棘(股関節の前方)ではキック動作などで大腿直筋の収縮
  • 坐骨結節(臀部の下)では全力疾走や跳躍などでハムストリングスの急激な収縮

診断

中学生から高校生が、ランニングやスタートダッシュ、ジャンプ、サッカーのキックのあとなどに骨盤やおしりに強い痛みを訴え歩けなくなったら、この剥離骨折が疑われます。X線像にて、骨片の剥離を確認します。必要に応じてCT検査をすることもあります。

治療とスポーツ復帰

発生初期で痛みの強い場合は、局所の安静が必要で痛みに応じて松葉杖歩行などをします。歩行時痛がなくなってから可動域訓練と筋力訓練を行います。
およそ4~6週でジョギング開始、2~3か月で運動復帰となります。
坐骨結節の場合は骨の癒合が遅れやすいため、さらに慎重なスポーツ復帰を要します。
ほとんどの場合は保存的に骨癒合しますが、骨のずれの大きい場合には手術をすることもあります。
スポーツへの完全復帰のためには、骨の癒合が得られ、可動域と筋力の回復が得られていることが必要です。骨盤周囲の筋肉や股関節のストレッチを十分に行うことが再発予防のために重要です。

▶参考:日本整形外科学会
▶監修:辻本武尊(枚方大橋つじもと整形外科クリニック院長・医学博士)