野球肩

投球相と障害

投球動作はPhaseⅠからPhaseⅥまでの6相に分けられています。
投球障害は主にPhaseⅠからⅢまでは前方要素、PhaseⅢからⅤまでは前方、上方、後方要素、PhaseⅤからⅥは後方要素にストレスが大きくなり各部位に損傷を生じさせます。

投球肩にみられる肩関節の病変

投球障害で損傷をきたしやすい部位は腱板、関節唇、関節上腕靭帯、肩峰下滑液包、上腕二頭筋長頭腱、腱板疎部などです。

投球障害で損傷をきたしやすい部位

投球障害肩発症のメカニズム

投球過多、フォーム不良、全身的要因(下肢、体幹、肩甲胸郭)により肩関節に負荷が加わり発症します。肩関節前方のゆるみや、筋肉、関節包の硬さ(特に後方)が原因で発症すると考えられています。

診断

問診、病歴、理学所見、視診、圧痛、可動域、特殊検査、投球テスト、画像診断を総合的に評価して行います。肩関節のみにとらわれず、下半身、体幹も含めた診察が必要です。

治療

痛みが強い場合は慢性化を避けるために運動量を減らす必要があり、アイスマッサージや外用薬の使用、足底や足関節周囲の筋肉の強化やストレッチングを行います。足底板(インソール)も効果的で、クッション性が良くかかとの安定したシューズを選ぶことも重要です。

治療方針

まずは投球制限による局所の安静とフォームチェック、全身のコンディショニングを整えます。
肩関節に対してはストレッチにより拘縮の軽減、肩甲骨の可動性の回復を図り、腱板訓練などにより安定性を向上させます。
更に注射や投球フォーム指導を行っても3か月以上症状が改善しない症例では手術治療を選択する場合もあります。
手術は主に関節鏡を用い、弛緩部位の強化や拘縮部位の剥離などを行い、関節内の引っ掛かりや衝突に対してクリーニングを行います。肩関節のバランスを再構築し安定した円滑な動きを獲得させます。

練習日数と時間全力投球数
小学生週3日以内、1日2時間を超えない1日50球以内、試合を含め週200球以下
中学生週1日の休養、個々の力量に応じた練習量1日70球以内、週350球以下
高校生1日100球以内、週500球以下

▶参考:日本整形外科学会
▶監修:辻本武尊(枚方大橋つじもと整形外科クリニック院長・医学博士)