爪周囲炎(そうしゅういえん)
病態
爪周囲炎は、ささくれ(さかむけ)、深爪、陥入爪、マニキュア、爪を噛む癖、幼児の指しゃぶり等の原因で化膿菌が侵入して発生し、爪の根元に向かって化膿が進んでいきます。化膿菌には黄色ブドウ球菌やレンサ球菌などの細菌、カビの一種であるカンジダなどがあります。また、ひょう疽という指先の腹側まで化膿するような病態もあります。

症状
手足の爪の周囲の皮膚に生じた傷から、黄色ブドウ球菌や化膿性連鎖球菌などが侵入して炎症を起こします。急性炎症では爪の周囲の痛み、発赤、腫れがあり、ズキズキする痛みで、眠れないこともあります。進行すると膿が溜まります。また爪の形・色・質が変化し、爪が剥離(爪甲剥離)することもあります。急性爪周囲炎は再発しやすい感染症です。繰り返し発症すると、爪がガタガタになります。通常は、皮膚や爪に大きな損傷を与えることなく治癒します。しかし、重症化すると一時的に爪を失うことがあります。


診断
爪の側面、爪の付け根の痛み、発赤、腫れがあらわれ、進行すると膿がたまって黄色くなります。爪の下に膿がたまることもあります。どの抗生物質を使用すると効果的かを判断するために培養検査やグラム染色を行う場合もあります。このほか、炎症が広がりを確認するため、レントゲンやMRIなどの画像検査を行うこともあります。

治療
治療の基本は抗生物質と排膿(膿の排出)です。それぞれの細菌やカビに効果がある抗生物質を内服して治療します。膿がたまっているときは、切開し排膿します。爪の下にまで膿がたまっていれば、爪を切除して膿を出す必要があります。

切開して膿を出す

部分的に切除して膿を出す

幼児の指しゃぶり、水を扱うことの多い主婦や料理人など、指先が常に濡れて湿っていると、細菌や真菌が増殖しやすいので、爪周囲炎が発症しやすくなります。
発症は急激ですが、早期に適正な治療をすることで、長引かずに治ります。早めに整形外科を受診しましょう。
▶参考:日本整形外科学会
▶監修:辻本武尊(枚方大橋つじもと整形外科クリニック院長・医学博士)
当クリニックでは、患者様の症状や治療に合わせた疾患別パンフレットをご用意しています。
下記リンクからもダウンロードできますので、ご活用ください。
