小児足関節捻挫

原因

足首の捻挫は、スポーツや日常生活で起こりやすいケガで、特にくぼみや段差で足を取られたり、ジャンプの着地時に足首をひねることで発生します。多くの場合、足首を内側にひねることで、外側の靭帯に痛みが生じます。

子供の場合、骨端線があり、靭帯の断裂は少なく、骨端線や靭帯の付着部に裂離骨片や軟骨が損傷することがあります。このような裂離骨片が残ると、足関節に不安定感が残り、成長に伴って足関節不安定症を引き起こし、最終的に変形性足関節症を引き起こすことがあります。

症状

足首をひねって足首の周囲の靭帯や、小児の場合は付着部の骨を痛める怪我です。

損傷した場所により、外くるぶしの直上や下方に痛みが起こります。痛みで体重をかけられなかったり、 腫れが強かったり、皮下出血が多い場合は重症の可能性があり注意が必要です。

診断

以下の症状が認められた場合、小児の足関節症と診断されます。

  • 足関節の内返しにひねったエピソードがある。
  • 外くるぶしの直上や前方、下方に腫れと痛みがある。
  • 足首を内返しや前方にひねると、不安感と痛みがある。

足関節単純X線で正面、側面像と内旋斜位像や軸位撮影などで骨折や足関節外果の骨端線損傷や裂離骨片があるか確認します。超音波エコーでも確認ができます。

捻挫の分類

捻挫は靭帯の傷む程度のよって三つに分けられます。

Ⅰ度前距腓靭帯の部分損傷
Ⅱ度前距腓靭帯の完全損傷
Ⅲ度前距腓靭帯、踵腓靭帯の完全損傷

治療

◆初期治療

受傷直後、現場でRICE(安静・冷却・圧迫・挙上)処置を行います。

◆保存療法

  • 初回の捻挫、腫脹や皮下出血が強い場合、痛みで荷重をかけられない場合には、ギプス固定を2~4週間行います。
  • 新鮮な裂離骨片の場合、骨癒合が得られずに不安定性や痛みが残ることがあり、固定期間を長めにして骨癒合を目指す場合もあります。
  • 固定除去後はサポーターなどで保護し、関節可動域訓練、捻挫予防の理学療法を行います。

◆手術療法

足首のゆるみがひどい場合や新鮮な剥離骨片が大きく離れている場合には、手術を行うことがあります。

◆スポーツ復帰までのリハビリテーション

リハビリテーションをきちんと行わないでスポーツに復帰すると、捻挫を繰り返したり、足首に痛みなどの後遺症を残すことがります。リハビリテーションは3つの段階に分かれます。

第一段階

捻挫をした直後の時期ですので、それ以上ひどくならないようにRICE処置を行います。

第2段階

捻挫をして固くなった足首を柔らかくし動きをよくすることと、足首の周囲の筋肉を鍛え、衰えた筋肉の力を取り戻すことが必要です。

第3段階

バランスをとる練習をします。さらにジョギングやダッシュ、ストップ、サイドキックなどの実践練習も行ってスポーツに復帰します。

小児足関節捻挫は繰り返すと慢性的な足首の痛みの原因となり、将来的に変形性関節症に進行する可能性があります。軽微な捻挫であっても無理に歩いたり、スポーツを続けたりせずに、痛みや腫れが引くまで安静に保つことを心がけましょう。

▶参考:日本整形外科学会
▶監修:辻本武尊(枚方大橋つじもと整形外科クリニック院長・医学博士)


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