後脛骨筋腱炎
原因
後脛骨筋は足の内くるぶしの後ろから土踏まずへとつながる腱で、足のアーチを支える大切な役割をしています。ランニングやジャンプ、長時間の立ち仕事などで大きな負担がかかると、腱が引き伸ばされたり小さく断裂して炎症が起こります。さらに、扁平足など足の形の異常、靴や路面の状態、筋肉の柔軟性不足や筋力低下なども発症の要因となります。

症状
初めは運動後に足首の内側や後ろに痛みが出る程度ですが、次第に痛みが強くなり腫れが生じます。進行すると立ったり歩いたりするのが難しくなり、つま先立ちでも強い痛みを感じます。腱が完全に切れるとつま先立ちができず、土踏まずが突然崩れて偏平足のように見えることもあります。腱鞘炎では内くるぶし周囲に急な痛みと腫れが起こり、腱が太くなったように感じる場合があります。
診断
医師の診察によって症状や足の状態を確認し、多くの場合はそれで診断が可能です。ただし、腱の損傷の有無や程度を詳しく調べたり、ほかの病気を除外するためにX線やMRIなどの画像検査を行うこともあります。
治療
症状の程度に合わせて、保存療法と手術治療があります。
保存療法では、運動を制限・休止し、安静・アイシング・温熱療法を行います。足の形に合わせた足底板(インソール)やテーピング、支えのある靴やブーツを使って腱への負担を軽減します。さらに、ストレッチやマッサージ、弱くなった筋肉の筋力強化も重要です。炎症が強い場合は消炎鎮痛薬を用います。
腱が完全に断裂している場合や保存療法で改善がみられない場合は、手術が必要になることもあります。特に活動的な若い方で突然断裂した場合には、手術が重要です。

後脛骨筋腱炎は、進行すると扁平足が悪化し、歩行にも支障をきたすことがあります。
早期に適切な治療とリハビリを行うことで、多くの方が症状の改善を得られます。『最近、足の内側が痛む』『長時間歩くと土踏まずが疲れる』といった症状がある方は、早めにご相談ください。
▶参考:日本整形外科学会
▶監修:辻本武尊(枚方大橋つじもと整形外科クリニック院長・医学博士)
当クリニックでは、患者様の症状や治療に合わせた疾患別パンフレットをご用意しています。
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