産後の尿漏れ
産後の尿もれは、くしゃみや咳、ジャンプなどの動作で意図せず尿が漏れてしまう状態のことです。
特に出産後は、骨盤まわりの筋肉が弱くなるため、多くの方にみられる症状です。
原因
産後の尿もれは、出産によって骨盤底筋(こつばんていきん)がダメージを受けることで起こります。
出産時には赤ちゃんが産道を通ることで、骨盤底筋が引き伸ばされたり、傷ついたりします。その結果、膀胱や尿道を支える力が弱くなり、腹圧がかかったときに尿をうまく止められなくなります。
病態
本来、骨盤底筋は膀胱や尿道を下から支え、尿が漏れないようにコントロールしています。しかし産後は、この筋肉がゆるんだ状態となり、腹圧(お腹に力が入ること)がかかると尿が漏れやすくなります。
整形外科的には、骨盤底筋は腹筋や背筋と連動して体幹を安定させる役割もあるため、
- 体幹の不安定性
- 腰痛
- 姿勢の崩れ
にも関係しています。

症状
- 咳やくしゃみで尿が漏れる
- 走る・ジャンプで漏れる
- 重いものを持つと漏れる
- トイレまで間に合わないことがある
特に「動いたときに漏れる」ことが特徴です。
診断
診断は主に問診と診察で行います。
どのような場面で尿もれが起こるかを確認し、必要に応じて骨盤底筋の働きや体幹の状態を評価します。
リハビリ
多くの場合、手術ではなくリハビリで改善を目指します。
※下記トレーニングは一例です。実際には理学療法士が、患者さんの身体機能を評価して適切なメニューを組み立てていきます。
①呼吸と体幹のトレーニング
腹筋・横隔膜・骨盤底筋の連動を整え、体幹の安定性を高めます。
②骨盤底筋トレーニング
尿道を締める筋肉を意識して収縮する練習を行います。
③姿勢・動作指導
日常生活で腹圧がかかりすぎないよう、正しい姿勢や動作を身につけます
当院では、産後の尿もれや腹直筋離開、腰痛などに対して、産後リハビリを専門に行っています。
お一人おひとりの状態に合わせて、無理のない運動プログラムを作成し、改善を目指します。また、専門の知識を持った女性の理学療法士が担当いたしますので、デリケートなお悩みも安心してご相談いただけます。
日常生活の注意
- 無理に力む動作を避ける
- 正しい姿勢を意識する
- 自己流のトレーニングは避ける
- 継続してリハビリを行う
受診の目安
これらがある場合はご相談ください。
- 産後に尿もれが続いている
- 日常生活で気になる
- 腰痛や体幹の不安定感もある
▶参考:日本整形外科学会
▶監修:辻本武尊(枚方大橋つじもと整形外科クリニック院長 医学博士)
