急性腰痛
急に腰が痛くなり、動けなくなる急性腰痛(いわゆる「ぎっくり腰」)は、誰にでも起こり得る非常に一般的な疾患です。
重いものを持ち上げたときや、くしゃみ・朝の起き上がりなど、些細な動作をきっかけに発症することも多く、強い痛みで日常生活が困難になることがあります。
急性腰痛は「安静にしていれば治る」と思われがちですが、誤った対処をすると症状が長引く・慢性腰痛へ移行する可能性があります。早期の適切な治療が非常に重要です。
腰痛の分類
有症期間による分類
慢性腰痛とは、3か月以上続く腰痛のことです。
腰痛は発症からの期間に応じて、急性腰痛(発症後1か月以内)、亜急性腰痛(1~3か月)、慢性腰痛に分けられます。

- 急性腰痛:
腰に激しい痛みが生じ、痛みのために腰を前後に曲げるのが困難になりますが、ほとんど場合1週間以内に痛みが治まります。 - 慢性腰痛:
急性腰痛よりも痛みは弱く、腰全体の鈍痛や重だるさが続くのが特徴です。お尻や足に広がる痛みやしびれを伴うこともあります。
原因による分類
検査で原因が特定できる腰痛を特異的腰痛といいます。初診時における腰痛患者の約85%が非特異的腰痛で、特異的腰痛は約15%とされています。

◆特異的腰痛
特異的腰痛の障害部位としては、脊椎・椎間板や筋・筋膜によるものが多く、「いつもの腰痛」と思っていた不調が、実は早期治療が必要な病気の前触れだったり、原因疾患の治療が必要の場合もあります。
以下、特異的腰痛をきたす整形外科領域での主な原因疾患です。
脊椎・運動器由来
その他に、脊椎腫瘍、脊椎感染症、非化膿性炎症性疾患の可能性もあります。
◆非特異的腰痛
検査を行っても原因が特定できない非特異的腰痛の原因として、家事や仕事などで前かがみになって、腰に負担がかかる姿勢をとり続けていることや、痛みやその不安から体を動かさず不自然な姿勢になっていること、神経が過敏になっていることなどが考えられます。また、ストレスや抑うつなどの心理的要因が腰痛の慢性化を招くこともあります。
急性腰痛(ぎっくり腰)とは
急性腰痛症は、腰に急激な負担がかかることで起こります。約90%は筋肉や筋膜の損傷(筋筋膜性腰痛)で、残りは椎間関節や椎間板の障害が原因と言われています。
発症のきっかけ
- 重い荷物を急に持ち上げる
- 膝を曲げずに前かがみで物を拾う
- 中腰を長時間続ける(洗顔など)
- くしゃみや咳
- ゴルフや野球など強いひねり
症状
- 発症時に「ギクッ」「ズキッ」と走る強い痛み
- 動けなくなるほどの痛み~軽くて仕事を続けられる場合まで様々
- 安静で軽くなり、体を動かすと悪化するのが特徴
- 下肢のしびれや広がる痛みは基本的にみられない
- 半数は1週間で改善、90%が6週間以内に回復
診断
自分では「ぎっくり腰」と思っても、別の病気のこともあります。
高齢の方では「変形性腰椎症」が多く、中には骨折をしている場合もあるので、レントゲンの確認が必要です。レントゲンで他の病気を除外、必要に応じて詳しい検査を行います
治療
◆発症直後の対処
- 痛みの少ない姿勢で安静(横向きが理想)にします
- すぐ横になれないときは四つん這いで休みます
- 急な動作やひねりを避けましょう
- 入浴は控え、シャワーで済ませます
◆当院でできる治療
腰痛注射(筋膜リリース・トリガーポイント注射)
腰痛がひどく、「マッサージではその場しか楽にならない」「リハビリをしても硬さが残ってしまう」とお悩みの方に対して、当院では腰痛注射(筋膜リリース・トリガーポイント)を行っています。
筋肉や筋膜が強くこわばって固まり、血流が低下している場合に、ピンポイントでアプローチできる即効性のある治療です。
神経ブロック注射
痛み止めの内服や湿布も効果がなく、今すぐ何とかしたい強い痛みがある方は神経ブロック注射の適応かもしれません。神経ブロック注射の最大の魅力は、その即効性と劇的な改善です。麻酔薬を患部の神経に直接注入することで、原因が特定できていれば、痛みが瞬時に和らぎます。さらに、強い痺れにも効果を発揮し、内服薬とは異なり、より直接的で高い治療効果が期待できます。
リハビリ

当院では、腰痛の原因に合わせたリハビリを行っています。
筋肉のこりだけでなく、腰椎椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症・坐骨神経痛などの原因疾患がある場合にも対応し、理学療法士が専門的に評価したうえで治療を進めます。
- 体幹・股関節の安定性トレーニング
- インナーマッスルや殿筋を鍛えて「腰に負担がかからない身体」をつくります。
- 姿勢・動作の改善
- 反り腰・猫背をチェックし、痛みを悪化させない姿勢を身につけます。
- 筋膜リリース・ストレッチ
- 腰〜骨盤〜太ももにかけて硬くなった筋肉を緩め、血流を改善します。
- 神経症状がある場合の神経モビライゼーション
- ヘルニアや狭窄症による“しびれ”にも対応します。
注射や物理療法と併用することで、症状の改善と再発予防をより効果的に行うことができます。
メディカルボディケア

当院では、腰痛のみならず「忙しい毎日の疲れ」「全身のこわばり」「慢性的な体の重だるさ」というような “からだの不調” を医療機関ならではの安全性と専門性でケアする、ワンランク上の整体&リラクゼーションコース をご提供しています。
理学療法士が姿勢・筋肉・関節の状態を評価し、一人ひとりの身体に合わせて施術やトレーニングを調整。整体やマッサージ店では対応が難しい痛み・不調にも専門的にアプローチできます。
◆コース内容
- 理学療法士による本格的な整体・ストレッチ・リリース
- Inbodyによる体組成測定
- 施術後の低周波・干渉波組合わせ治療器
- オプション:ニンニク注射かプラセンタ注射4回分(+3000円)
- オプション:水素吸入(1回1,000円)
その他の治療
薬物療法や腰部の安静や装具(コルセット)の着用、リハビリのような保存的療法で改善が見られないときや日常生活に大きな支障をきたしているときなどではブロック注射や、場合によっては手術を検討します。

腰痛のセルフケア・予防
急性腰痛は、突然起きるように見えて、実は 日常の姿勢・動作・筋力低下・柔軟性不足などの積み重ねが原因で発症することが多い症状です。
普段から以下のポイントを意識することで、発症や再発を防ぐことができます。
- デスクワークでは正しい姿勢をキープする:
長時間椅子に座っていると自然と姿勢が悪くなりがちです。背中を反らせるのではなく、骨盤を立たせるようなイメージで座ると、骨盤に無駄な力が入らず、自然と正しい姿勢をキープできます。

- 腰に負担のかからない寝る姿勢とマットレス:
腰痛には適度な反発力があるマットレスが適しています。体を整えるためには寝返りが必要ですが、柔らかすぎるマットレスでは体が沈み込み、寝返りができなくなってしまいます。
反り腰による腰痛がある方は、仰向けが辛く感じることもあります。その場合は横向きに寝ると良いでしょう。 - 腰痛を予防する立ち方を心がける:
長時間立ったままの姿勢が続くと、重たい上半身を下半身で支えることになり、腰に大きな負担がかかります。立ち仕事の多い職業の方は、休憩時にストレッチやマッサージをしたり、クッション性のある靴やマットを使用して、腰の負担を軽減する工夫も必要です。

- 腰痛予防のエクササイズやストレッチを行う:
立った状態で行うストレッチでは、腰を安定させる際に負担がかかってしまうことがあります。寝ながらできる簡単なストレッチを一つ紹介しますので、就寝前などの空いた時間にぜひ取り入れてください。
腰ひねり体操
- 仰向けに寝転び、全身の力を抜く
- 右足を立てて左側に倒し、左手で右足の膝を抑える
- 顔は天井を向き、右手は真横に伸ばします。
- この状態をキープしたまま、ゆっくりと深呼吸を繰り返す
- 反対側も同様の流れで行う
膝と肩が床から離れないようにしましょう。左右1回ずつを3セット行います。

▶参考:日本整形外科学会
▶監修:辻本武尊(枚方大橋つじもと整形外科クリニック院長・医学博士)
当クリニックでは、患者様の症状や治療に合わせた疾患別パンフレットをご用意しています。
下記リンクからもダウンロードできますので、ご活用ください。
