腰部脊柱管狭窄症の保存療法|痛み・しびれを和らげる治療方法を解説

腰部脊柱管狭窄症の治療は、まず手術をしない「保存療法」から開始するのが基本です。症状や生活スタイルに応じて、以下のような治療を組み合わせて行います。
目次
◆ 1. 薬物療法(飲み薬・貼り薬・塗り薬)
痛み・しびれ・炎症・血流障害など、症状の原因に応じて薬を使い分けます。
| 薬の種類 | 主な作用 | 特徴 |
|---|---|---|
| 消炎鎮痛薬(NSAIDs) | 炎症を抑え痛みを軽減 | ロキソニン・ボルタレンなど。急性期にも使用 |
| 神経障害性疼痛治療薬 | 神経の過敏・しびれを抑える | リリカ(プレガバリン)、タリージェなど |
| 血流改善薬 | 神経の血流を改善し回復を促す | プロスタグランジン製剤など |
| 筋弛緩薬 | 筋肉の緊張を緩和 | 痛みによる筋肉のこわばりを改善 |
| 局所貼付薬(シップ・パップ剤・塗り薬) | 痛み・炎症の局所治療 | 内服が難しい方にも使用可能 |
※薬は根本治療ではなく、痛みやしびれを抑えて生活しやすくすることが目的です。
症状が強い時期に、リハビリ・運動療法を併用することが理想的です。
◆ 2. 腰〜下肢のストレッチ
脊柱管そのものは広がりませんが、筋肉の緊張をやわらげて神経への負担を減らす効果があります。
- お尻(梨状筋)、太ももの裏(ハムストリング)、ふくらはぎ、股関節前面(腸腰筋)などを中心に伸ばす
- 朝より身体が温まった夕方や入浴後が効果的
- “気持ちいい範囲”で行うことが大切

◆ 3. 体幹トレーニング(腹圧コントロール)
片寄った姿勢や反り腰を防ぎ、腰椎を安定させて神経圧迫を軽減するのが目的です。

● 腹圧トレーニングの効果
- 腰椎のぐらつきが減る
- 脊柱管へのストレスを軽減
- 痛みやしびれの進行を防止
● 簡単な腹圧トレーニング
- 仰向けで膝を立てる
- お腹を軽く膨らませ、力を入れる
- 呼吸は止めず10秒キープ
→ 1日5~10回程度
◆ 4. ブロック注射の種類(硬膜外・神経根)
症状が強い方や、神経の炎症・腫れが疑われる場合に行います。

| 注射の種類 | 特徴 | 適応 |
|---|---|---|
| 神経根ブロック | 特定の神経を狙う | 片側のしびれ・坐骨神経痛 |
| 仙骨硬膜外ブロック | 負担が少なく受けやすい | 軽度〜中等度の症状 |
- 痛みを軽減し、リハビリや生活改善が進めやすくなる
- 効果は数日〜数ヶ月と個人差あり
- 根本治療ではなく、「症状を抑える治療」
◆ 5. コルセットの使い方
腰を支え、悪化を防ぐサポートとして使用します。
| 正しい使い方 | 説明 |
|---|---|
| 痛みが強い時だけ使う | 常時使用は筋力低下につながる |
| 動くときに補助的に使う | 安静時ではなく、立ち仕事・歩行時に有効 |
| 締めすぎない | 血流障害・筋力低下の原因になる |
特に高齢の方や、長時間歩く必要がある外出日などに有効です。
◆ 保存療法のまとめ
| 保存療法の種類 | 主な目的 |
|---|---|
| 薬物療法 | 痛み・しびれ・炎症の軽減 |
| ストレッチ | 筋肉の緊張緩和、神経負担の軽減 |
| 体幹トレーニング | 腰の安定性を高め、進行予防 |
| ブロック注射 | 痛みの強い時期に症状を抑える |
| コルセット | 痛みが強い時のサポート・保護 |
当院では、症状・生活スタイル・年齢などに合わせて、一人ひとりに最適な保存療法を組み合わせた治療計画をご提案しています。
「いつ治るのか」「どこまで改善できるのか」など、お気軽にご相談ください。]
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▶監修:辻本武尊(枚方大橋つじもと整形外科クリニック院長・医学博士)
