ブロック注射

神経ブロック注射は、痛みやしびれの原因となる神経に局所麻酔を注入し、症状を和らげる治療法です。今すぐ何とかしたい痛みに、【即効性と劇的な改善】が期待できます。

神経ブロック注射とは

神経は、大きく3つに分けられます。知覚神経は痛みや温度を感じ、運動神経は筋肉を動かし、自律神経は血流や心臓、胃腸の動き、発汗を調整します。

知覚神経をブロックすると、痛みが素早く和らぎ、痺れを感じなくなります。自律神経をブロックすると、血流が改善し、痛みの原因物質が洗い流される効果があります。

硬膜外ブロック注射の例

神経ブロック注射の最大の魅力は、その即効性と劇的な改善です。麻酔薬を患部の神経に直接注入することで、原因が特定できていれば、痛みが瞬時に和らぎます。さらに、強い痺れにも効果を発揮し、内服薬とは異なり、より直接的で高い治療効果が期待できます。

痛みの悪循環

神経ブロックは、一時的な麻酔ではなく、痛みの根本に働きかける治療法です。麻酔により興奮した神経を鎮め、筋肉の緊張をほぐし、血流を促進することで、痛みの悪循環を断ち切ります。その結果、長期間にわたる痛みの緩和が期待できます。

対象となる方

  • 薬が効かない
  • 痛みやしびれを今すぐ何とかしたい
  • 電気治療やマッサージで改善しない
  • 入院や長期休養は難しい
  • 手術後の痛みや違和感が残っている
  • 痛み止めの副作用が気になる

ブロック注射の適応疾患

腰痛症頚椎椎間板ヘルニア腰椎椎間板ヘルニア、頚部脊柱管狭窄症、腰部脊柱管狭窄症、坐骨神経痛、頸椎症ストレートネック・スマホ首頚椎症性脊髄症頸椎症性神経根症、頸肩腕症候群、筋膜性疼痛症候群(首こり、肩こり腰痛)、肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)、変形性関節症(変形性肘関節症変形性肩関節症変形性肘関節症変形性股関節症変形生足関節症関節リウマチなど

神経ブロック注射の種類

神経根ブロック注射

神経根ブロックは、背骨の神経根に麻酔薬を注射し、痛みを和らげる治療法です。体の深部に行うため、エコーを使って体内を確認しながら注射します。

他の神経ブロックと比べ、痛みの原因となる神経に直接作用するため、他の方法で効果が得られなかった方にも効果が期待できます。

仙骨硬膜外ブロック注射

硬膜外腔に局所麻酔薬を注入すると、脊髄神経の動きを抑え、痛みの感覚が脳に伝わるのを遮断します。

仙骨硬膜外ブロック注射は、腰から下の痛みに対して行われ、仙骨の下端から針を刺して腰椎の脊髄神経に麻酔をかける治療法です。

椎間関節ブロック注射

椎間関節に注射針を刺し、局所麻酔薬を注入して、背中や腰の神経の痛みをブロックします。この施術はレントゲン透視下で行われ、急性のぎっくり腰や慢性の椎間関節性腰痛に効果的です。

椎間関節の図解

仙腸関節ブロック注射

仙腸関節ブロックは、腰や下肢の痛みを改善するために行われる治療法です。仙腸関節はお尻のやや上部に左右2か所あり、レントゲン透視下でその位置を確認しながら、直接注射します。

トリガーポイント注射

トリガーポイント注射治療は、肩こりや腰痛の改善に効果的な方法です。局所麻酔薬や鎮痛消炎剤をピンポイントで注射し、筋肉をほぐして血行を改善することで、痛みやコリを和らげます。対象は2~5か所で、皮膚から浅い部分(0.5~1cm)に連続して注射します。

筋膜リリース注射

筋膜リリース注射は、生理食塩水や局所麻酔薬を筋肉や筋膜の緊張した部分に注入し、癒着を解消して筋肉の柔軟性を改善することで、肩こりや腰痛などの痛みを和らげ、即効性があり副作用が少ない安全な治療法です。詳しくはこちらをどうぞ。

施術の流れ

準備

トイレは注射の前に済ませておいてください。
待合室で血圧の測定を行います。
順番が来ましたら診察室もしくはレントゲン室へ移動します。

※腰椎神経根ブロックのみ上記の準備が必要です。

ブロック注射

注射する部位を消毒してから、ブロック注射を行います。
ブロック注射自体は1分以内に完了します。

安静

処置後はベッドで15~30分間お休みいただきます。安静中に血圧を測定し、異常がなければ経過観察を行います。

安静終了時刻になりましたら、スタッフがお知らせしますので、それまでお一人で立ち上がらないようお願いいたします。その後、足踏みをしていただき、脱力感が解消されたかをスタッフが確認します。解消されていれば安静終了、解消されていない場合は延長となります。

※神経根ブロック及び仙骨硬膜外ブロックのみ上記の安静が必要です。

使用する薬剤

硬膜外ブロックでは、神経に麻酔をかけるために局所麻酔薬を使用します。まれに、局所麻酔薬に対してアレルギー反応が起こることがあります。例えば、発疹、むくみ、息切れ、血圧低下、動悸などの症状です。過去に局所麻酔薬(例えば歯科での抜歯時)でアレルギー反応を経験された方や、薬物アレルギーがある方は、事前に担当医にお知らせください。

また、急な強い痛みが生じた場合、神経の炎症が予測され、この炎症を鎮静化するためにステロイド薬を局所麻酔と一緒に使用することがあります。

使用する機器

透視機能付きレントゲン

腰椎神経根ブロック注射は、皮膚から深部を対象とする治療で、レントゲン透視を用いて行います。画像で組織を確認しつつ、針を正確に目的の位置へ進めるため、迅速かつ精度の高い注射が可能です。治療中は、うつぶせの姿勢でリラックスして受けていただけます。

超音波診断装置

頚椎神経根ブロックは、エコーガイド下で行う安全性の高い治療です。超音波画像を使用し、リアルタイムで針と神経の位置を確認しながら注射を行います。これにより、針先が神経に触れないよう細心の注意を払い、痛みを最小限に抑えた施術が可能です。

施術後の注意

  • 当日の激しい運動は避けてください。
  • 当日は入浴はせずに、シャワー浴にしましょう。
  • 注射後に異常な症状が現れた場合(例: 高熱、強い痛み、感染の兆候など)、直ちに医師に連絡してください。

Q&A

神経ブロック注射は痛いですか?

痛みの感じ方は注射の種類によって異なります。「ほとんど痛みを感じなかった」という方もいれば、中程度から強い痛みを伴うこともあります。当院では、経験豊富な医師が、できるだけ痛みを感じないように、短時間で注射を行うことを心がけています。

費用はいくらですか?

神経ブロック注射は保険診療で行える治療です。
およそ1,000円~5,000円程度で行えますが、自己負担率やブロックの種類によっても異なりますので、詳しくはスタッフのご確認ください。

注射の間隔はどのくらい?

ブロック注射の種類によりますが、神経根ブロックや仙骨硬膜外ブロックの場合は毎週~2週間に1回程度であれば可能です。しかし我慢できない痛みやしびれにより、短い間隔でのブロック注射をご希望の方は医師にご相談ください。

どんな副作用があるの?

局所麻酔剤を使用した後、眠くなったり、血圧が下がったり、筋肉に力が入らなくなったり、声がかすれることがありますが、これらはいずれも一時的な症状です。通常、30〜60分後には元に戻ります。注射後は安静にして院内で経過を観察しますので、ご安心ください。

血液をサラサラにする薬(ワーファリンなど)を飲んでいるけど大丈夫?

基本的には問題ありませんが、念のため医師にお伝えください。

内服の痛み止めと何が違うの?

神経ブロックは、患部に直接麻酔を施すため効果が高く、内服薬より副作用も少ない安全な治療法です。内服が難しい方にも適しており、痛みの軽減によって薬の使用量を減らせる可能性もあります。

院長からの一言

院長

ブロック注射は、痛みの原因に直接作用する効果的な治療です。当院では、注射を素早く正確に行うことで、痛みや不安を最小限に抑えることを心がけています。
「注射が不安」という方も、安心してご相談ください。

監修:辻本武尊(枚方大橋つじもと整形外科クリニック院長・医学博士)