◆ 腰部脊柱管狭窄症の代表的な症状とセルフチェック

腰部脊柱管狭窄症では、神経の通り道が狭くなることで、さまざまな症状が現れます。ここでは、患者さんに多い代表的な症状と、ご自宅でできるセルフチェックをご紹介します。
◆ 1. 朝のこわばり
朝起きたときに、腰や足が重い・こわばる・動き始めがつらいと感じる方が多くいます。

● なぜ朝にこわばるのか?
睡眠中は身体が温まりにくく、筋肉や靭帯が固まりやすいため、狭窄部位への負担が大きくなることが原因の一つです。また、寝起きに腰を反らせる動作が入ると、神経への圧迫が強まりやすく、痛みや重だるさを感じます。
● セルフチェック
- 朝の動き出しに腰・足がしびれる
- 起き上がる前に膝を軽く抱えると少し楽になる
- 腰を反ると痛みが増す
ひとつでも当てはまる場合は、狭窄症の可能性があります。
◆ 2. 歩くとつらい/休むと楽になる(間欠性跛行)
腰部脊柱管狭窄症の最も特徴的な症状が 「歩くとつらいけれど、少し休むとまた歩ける」 という状態です。これを 間欠性跛行(かんけつせいはこう) と呼びます。

● 歩くとつらい理由
歩行時は自然と腰が反り(伸展)、脊柱管がさらに狭くなります。そのため、神経がより圧迫され、痛み・しびれ・脱力が悪化します。
● 休むと楽になる理由
座る・前かがみになるなど、腰を曲げる姿勢(前屈)では脊柱管が広がり、神経への圧迫が軽くなるため症状が改善します。
● セルフチェック
- 100〜200m歩くと足がしびれて立ち止まる
- 前かがみで休むと回復する
- 自転車だと長くこげる
- ショッピングカートを押すと歩きやすい
こうした特徴がある場合、狭窄症の可能性が高くなります。
◆ 3. 足のしびれ・脱力
狭窄症では、神経が圧迫されることで しびれや力が入りにくい(脱力) といった症状が出ます。
● 足のしびれの特徴
- 足先だけでなく、ふくらはぎ・太ももにも広がる
- ビリビリ・ジンジン・冷たい感じがする
- 長距離歩行や立ち仕事で悪化
● 脱力の特徴
- 足が前へ出にくい
- つまずきやすい
- 長く歩けない
※「徐々に力が入らなくなる」「片足だけ悪化する」「排尿がしづらい」などの場合は、早めの受診が必要です。
● セルフチェック
- 足が重く、疲れやすい
- 片足に力が入りにくい
- 足の感覚が鈍い・冷感がある
◆ 4. 前かがみで楽になる理由
腰部脊柱管狭窄症の特徴として、前かがみになると症状が軽くなるという点があります。
● なぜ前かがみで楽になる?
前かがみ姿勢では脊柱管が広がり、神経の通り道に余裕が生まれるためです。その結果、痛み・しびれが軽減します。
● 日常でも見られる典型的な場面
- 自転車姿勢だと楽に移動できる
- 台所で前かがみになると痛みが軽くなる
- カートを押すと歩行距離が伸びる
このような特徴は、狭窄症を疑う上でとても重要なサインです。
◆ まとめ:セルフチェックに当てはまったら
上記の症状は軽度でも放置すると進行し、歩行距離が短くなる・しびれが日常に支障をきたす可能性があります。
早期に受診することで、リハビリ・運動療法・薬物治療など多くの選択肢が取れ、症状を抑えることができます。


▶監修:辻本武尊(枚方大橋つじもと整形外科クリニック院長・医学博士)

