肩こり
「首から肩、背中にかけて“なんとなく張る”“鈍く痛む”」「肩が重くて動きにくい」というお悩みを、世代・性別問わず多くの方が抱えています。実際、厚生労働省の「国民生活基礎調査」では、女性において「肩こり」が体の不調における自覚症状のトップであったという結果があります。
肩こりは“ただの疲れ”と軽く見られがちですが、放置すると生活の質(QOL)を下げるだけでなく、つらい頭痛・吐き気・肩~腕~手への影響・不眠などを起こすこともあります。
肩こりの発生メカニズム
肩こりの状態を理解するには、まず筋肉・血流・神経の関係を知ることが大切です。
- 肩から首、肩甲骨周辺には、特に 僧帽筋をはじめとする広い筋肉群があります。
- 長時間の同じ姿勢・悪い姿勢・冷えなどにより、この筋肉群が持続的に緊張(収縮)すると、血流が悪くなり 筋肉内に疲労物質がたまりやすい状態になります。
- 血流低下 → 筋硬結(こり) →神経が影響を受ける →「張り」「重だるさ」「痛み」「頭痛」などの症状が出現。
- また、肩関節・頚椎・腕・腕神経叢といった構造との関連も無視できません。例えば頚椎の変形や神経圧迫があると、肩こり様の症状として現れることもあります。

肩こりの原因
肩こりは「症候性」「本態性」「心因性」に大別されます。肩こりの“原因”はひとつではなく、複数の要因が絡み合って起こります。
◆症候性肩こり
原因疾患を認めるものを「症候性肩こり」と言います。「いつもの肩こり」と思っていた不調が、実は早期治療が必要な病気の前触れだったり、関節・神経の問題で治療が必要というケースもあります。
以下は、症候性肩こりをきたす整形外科の主な疾患です。
肩関節の障害
その他、三角筋拘縮症、動揺性肩関節等の可能性もあります。
頚椎(首)の障害
骨・軟部組織の障害
その他、胸郭出口症候群、肩甲上神経麻痺等の可能性もあります。
末梢神経系の障害
その他、胸郭出口症候群、肩甲上神経麻痺等の可能性もあります。
◆本態性肩こり
特別な原因疾患を認めないものを、「本態性肩こり」といいます。このような肩こりでもストレッチやマッサージ、筋力トレーニング中心のリハビリを継続することが症状の改善に有効です。
外的要因(生活習慣・姿勢・環境)
- 首や背中が緊張するような姿勢での作業(長時間のパソコン作業・スマホ操作・前かがみ)
- 猫背・肩が内側に入る姿勢・前かがみ傾向
- 運動不足 → 筋力低下・血流低下を招きやすい状況に
- 長時間同じ姿勢をとる、休憩を取らない、作業を中断しない。
- 冷え・過度なクーラー、冷たい飲食→ 筋肉・血管が収縮しやすく血流に悪影響。
- バッグや鞄を常に同じ肩にかける、なで肩の人:肩や肩甲骨周囲の負荷が偏りやすい。
内的要因(体の中の影響)
- 精神的ストレス・緊張感:筋肉が無意識にこわばりやすく、肩周辺の血流が滞りやすい。
- 筋力低下(特に肩甲骨を支えるインナーマッスル)・柔軟性の低下
- その他、睡眠不足や栄養乱れ・代謝低下なども影響を受けることがあります
◆心因性肩こり
ストレスや、うつ状態、自律神経障害によって生じる肩こりを「心因性肩こり」と言います。心の負担を軽減し、規則正しい生活をすることで症状が改善することもあります。
症状
首すじ、首の付け根から肩、または背中にかけて張ったり、凝ったり、痛いような感じがします。また、頭痛や吐き気を伴うことがあります。
診断
問診や神経学的診察、特に触診での僧帽筋の圧痛と筋緊張、肩関節可動域や頚椎疾患のチェックなどで診断します。レントゲン撮影のほか、必要により MRIやエコーなどの検査も行います。
治療
肩こり注射(筋膜リリース)
肩こりがひどく、「マッサージではその場しか楽にならない」「リハビリをしても硬さが残ってしまう」とお悩みの方に対して、当院では肩こり注射(筋膜リリース)を行っています。
筋肉や筋膜が強くこわばって固まり、血流が低下している場合に、ピンポイントでアプローチできる即効性のある治療です。
リハビリテーション

当院では、肩こりの原因に合わせたリハビリを行っています。
筋肉のこりだけでなく、頚椎症・頚椎椎間板ヘルニア・五十肩などの原因疾患がある場合にも対応し、理学療法士が専門的に評価したうえで治療を進めます。
- 肩甲骨や首まわりの可動域改善
- 姿勢(猫背・巻き肩・ストレートネック)の修正
- 深層筋トレーニングによる安定性向上
- 生活動作・デスクワーク姿勢の指導
注射や物理療法と併用することで、症状の改善と再発予防をより効果的に行うことができます。
メディカルボディケア(自費)
当院では、肩こりのみならず「忙しい毎日の疲れ」「全身のこわばり」「慢性的な腰の重だるさ」というような “からだの不調” を医療機関ならではの安全性と専門性でケアする、ワンランク上の整体&リラクゼーションコース をご提供しています。
理学療法士が姿勢・筋肉・関節の状態を評価し、一人ひとりの身体に合わせて施術やトレーニングを調整。整体やマッサージ店では対応が難しい痛み・不調にも専門的にアプローチできます。
◆コース内容
- 理学療法士による本格的な整体・ストレッチ・リリース
- Inbodyによる体組成測定
- 施術後の低周波・干渉波組合わせ治療器
- オプション:ニンニク注射かプラセンタ注射4回分(+3000円)
- オプション:水素吸入(1回1,000円)
肩こりのセルフケア・予防
肩こりを改善・再発防止するためには「日常生活での習慣見直し」「休息・血流改善」「筋肉・姿勢の強化」が鍵です。以下の方法を、ぜひ継続して実践しましょう。
日常習慣の改善
- 同じ姿勢を長く続けない:30〜40分ごとに肩・首・背中を軽く伸ばす/立ち上がる/腕を回す。
- 姿勢を正す:猫背や前かがみ、肩が内側に入っていないか鏡でチェック。肩甲骨を少し寄せて胸を開く意識を。
- バッグの肩掛けを左右交互にする/リュックに替える:片方のみ肩に負荷がかかるのを防ぎます。
- 冷え対策をする:肩・背中を蒸しタオルやホットパックで温める、入浴でしっかり体を温める。
血流改善・リラックス
- 蒸しタオル・ホットパックで肩・首を温め「こわばり」を和らげる。
- 入浴・半身浴でリラックスし、筋肉の緊張を取る。
- 適度な運動・ストレッチ:肩甲骨まわり、背中、首回りのストレッチを毎日少しずつ。
- 肩甲骨回し(両肩を前後にゆっくり10回)
- 首を左右・前後に軽く傾けるストレッチ(痛みの無い範囲で)
- 腕を大きく伸ばして背伸び+肩甲骨を寄せる
筋力・姿勢強化
- 肩甲骨を支える「アイソメトリック」トレーニング(関節を動かさずに筋肉へ力を入れるトレーニング)、背中(広背筋・菱形筋)・首(頚部深層筋)を鍛える。
- 椅子・デスクワークの際は、背もたれに背中をつけて骨盤を立て、肩・首が前に出過ぎない姿勢を意識。
- スマホ・PCは目線が下がりすぎないよう「画面を目の高さ近く」に調整。

「肩こり以外の症状がある」、「生活習慣の見直しや体操を続けても肩こりが治らない」ときは、まずは整形外科を受診しましょう。そして肩こり以外の症状があれば、必ず医師に伝えましょう。ほかの病気が疑われる場合には、適切な診療科に紹介いたします。
▶参考:日本整形外科学会
▶監修:辻本武尊(枚方大橋つじもと整形外科クリニック院長・医学博士)
当クリニックでは、患者様の症状や治療に合わせた疾患別パンフレットをご用意しています。
下記リンクからもダウンロードできますので、ご活用ください。
