ビタミンDが不足すると骨は弱くなる?カルシウム吸収と骨折予防の重要な関係

前回は「カルシウムを摂っていても骨密度が上がらない理由」について解説しました。

その大きな原因のひとつが、ビタミンD不足です。

■ビタミンDは不足しやすい栄養素です

ビタミンDは、現代の生活では不足しやすい栄養素のひとつです。

・屋内で過ごす時間が長い
・日焼け対策(紫外線対策)をしている
・魚を食べる機会が少ない

このような生活習慣により、知らないうちに不足している方が多いといわれています。

日本人のビタミンD摂取量

■ビタミンDの役割とは?

ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける重要な栄養素です。

食事から摂取したカルシウムは、腸から体内に吸収されて初めて骨に利用されますが、
ビタミンDが不足していると、この吸収がうまく行われません。

つまり、
👉 カルシウムを摂っていても吸収されない
👉 骨に取り込まれにくくなる

という状態になります。


■カルシウムと一緒にとることが重要です

ビタミンDは単独でも重要ですが、カルシウムと一緒に摂ることでより効果を発揮します。
実際に、ビタミンDとカルシウムを併用することで、骨折のリスクを低下させることが報告されています。

そのため、骨粗しょう症の予防や治療では、これらを組み合わせて考えることが大切です。


高齢女性におけるビタミンDとCaの骨折予防効果

■骨以外にもさまざまな働きがあります

近年、ビタミンDは骨の健康だけでなく、全身にさまざまな作用があるころが分かってきました。

  • ビタミンDは筋力維持に関与→転倒・骨折予防に重要
  • 血清ビタミンD濃度と死亡率の関連
  • 血清ビタミンD濃度と循環器疾患リスクの関連
  • 血清ビタミンD濃度と2型糖尿病発症リスクの関連
  • 血清ビタミンD濃度とがんのリスク低減効果

このような論文が続々と発表されており、健康維持に幅広く関わっていることがわかっています。


■どんな食品に多く含まれる?

ビタミンDは主に以下の食品に含まれています。

食べ物(1回に取る量)含有量㎍
鮭(1切れ80g)26.6
サンマ(1切れ100g)15.7
鯖水煮缶(1缶100g)11.0
しらす干し(10g大さじ1)4.6
乾燥きくらげ(1個50g)4.3
まいたけ(1/2株50g)2.5
干ししいたけ(乾燥2個5g)1.1
ビタミンDの多く含まれる食べ物

ただし、食事だけで十分な量を補うのが難しい場合もあります。


■日光を浴びることも大切です

ビタミンDは、皮膚に紫外線が当たることで体内で作られます。

目安としては、1日15〜30分程度の日光浴(手や顔に当たる程度)が推奨されます。

※季節や時間帯、肌の状態によって適切な時間は異なります


■不足するとどうなる?

ビタミンDが不足すると、
・骨密度の低下
・骨折リスクの増加
・筋力低下(転倒しやすくなる)

といった影響があります。

骨だけでなく、転倒→骨折という流れにもつながるため注意が必要です。


■まとめ

ビタミンDは、「カルシウムを骨に取り込むために欠かせない栄養素」です。

さらに、カルシウムと一緒に摂ることで骨折リスクの低下にもつながります。

骨粗しょう症の予防・改善には、
👉 カルシウム
👉 ビタミンD
👉 食事・日光・生活習慣

をバランスよく整えることが大切です。


次回は、カルシウムを骨に定着させる「ビタミンK」について解説します。

監修:辻本武尊(枚方大橋つじもと整形外科クリニック院長、医学博士、日本骨粗鬆症学会認定医)

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